【講演】7月12日に北星学園大学の公開講座でジハード思想について

明日7月12日の午後4時20分から、札幌の北星学園大学で公開講座を行います。

学生のみが対象かと思っていたのでブログで通知しておりませんでしたが、一般公開とのことなので、お近くの方はどうぞ。

題目:「現代イスラームにおける「聖戦(ジハード)」の観念とテロリズム」(北星学園大学・共通科目部門公開講座)
日 時:2016年7月12日(火)16時20分~17時50分
会 場:北星学園大学 A403教室(A館4階)
講 師:池内 恵 氏(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)

【テレビ出演】本日夜8時から、ニコニコ生放送・モーリー・ロバートソン・チャンネルで『サイクス・ピコ協定 百年の呪縛』について

テレビ出演の情報です。

本日夜8時から、ニコニコ生放送のモーリー・ロバートソン・チャンネルで「池内恵×モーリー 諸悪の根源!?サイクス=ピコ協定」をテーマに出演します

モーリー・ロバートソン・チャンネル2016年7月8日

こんな感じの案内をしてもらっています。

【*先日発売されたばかり、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛(新潮選書)』を参考テキストとし進行していきます。

*百年前の「秘密協定」は、本当に諸悪の根源なのか? “わかりやすくスッキリする歴史観”では絶対悪とされるこの協定。しかし、中東の歴史と現実、複雑な国家間の関係を深く知らなければ、決して正解には至れない。 “わかりにくく複雑な現実”についてディープな議論を行っていきます。】

私はニコニコ生放送というものを視聴したことがないので、どうやったら見られるか分かりません。無料か有料かも存じ上げておりません。

なお、全く関係ないですが、以前に、とあるインターネットテレビ局から、日本人が絡むあるテロ事件の只中の喧騒の中で、電話で執拗に出演の依頼を受けた際、なぜ出られないのか、出る意志がないのかを懇切に申し上げて謝絶したのですが、先方は社会常識を逸脱するほどの長時間食い下がった挙句、電話を切って数分の後、当時は存在していたブログのコメント欄に、極めて口汚ない表現で、「ゴタゴタ言わずに出やがれ!」といった調子のコメントが書き込まれていたことがあり、堅気の世界ではないものを強く感じましたので、それからいっそうインターネット・テレビには関わらないようにしています。

しかし今回出る気になったのは、テロ問題ではなく、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書)を題材にしたい、と先方が最初から提案してきたことと、モーリーさんと一度お会いしてみたいなと思ったことが理由です(その前の回のゲストが井上達夫先生だということもお伝えいただいたので、それも一つの後押し要因だったかもしれませんが)。

というのは、以前、BSスカパーの「ニュースザップ」のモーリーさん司会の日に出演を了承したことがあったのですが、モーリーさん担当の曜日は私が授業のために出演できないことを失念しておりました。その結果、詩人のアーサー・ビナードさんの司会の曜日に振替となって出演したことがありました。

モーリー→ビナードへの振替というのは、これはどう形容したらいいんでしょうか。今ちょっと頭が回らないので大喜利は他の人にお任せするといたしまして、とにかく、経験なので一度は行ってみて、それなりに楽しかったのですが、何しろ時間も長いしということで、それ以来行っていません。とにかくいい経験になりました。

で、その時はモーリーさんとお会いできなかったので、この機会に一度会ってみようかと思ってお引き受けした次第です。

この番組もやはり長時間のようで、今から先が思いやられます。

【講演】7月の予定(2)大阪経済大学「黒正塾」の寺子屋シリーズで講演

関西方面の方へ。

大阪経済大学で、公開講演を行います。

日時:7月2日(土)
演題:イスラーム教とグローバル社会

大阪経済大学日本経済史研究所が主催している「黒正塾」の一環の「第18回寺子屋」シリーズの一つの回です。今年は「イスラームの過去・現在・これから」と銘打って、イスラーム教やイスラーム世界を共通テーマとするようです。

大阪経済大学黒正塾2016

歴代、立派な歴史学者の先生方が講演しているシリーズですので、心して臨みます。

参加は無料ですが、「e-mail、FAX、ハガキのいずれか」で6月15日までに申し込む必要があります。詳しくはホームページをご覧ください。

普段はクローズドな研究会や学会でしか話をしないのだけれども、ここのところ一般にも公開された講演会の予定が相次いだので、ブログで連続して通知してきた。

昨日告知した戦略研究学会・定例研究会と、今回の大阪経済大学での講演以外は、当分一般公開の講演の予定はなさそう。本の執筆に集中しないといけません。

【講演】7月の予定(1)戦略研究学会の公開講演会

5月末から6月にかけての一般向けの公開講演について以前に続けて告知をしました。先月末の新潮社ラカグでの講演、先週末にかけての駒場での講演二つで、それらがほぼ終わりかけておりますが(慶應でまだ一つ大きなものが残っている)、今度は7月の一般向け講演の告知を二つほど続けます。

まず一つ。

戦略研究学会の第47回定例研究会で公開講演をします。

演題 「イスラーム国の衝撃―国際テロの組織原理」
日時 平成28年7月9日(土)14:00~16:00
会場 明治大学リバティタワー 9階 1096教室
(東京都千代田区神田駿河台)

『イスラーム国の衝撃』(文春新書)の刊行から一年半がたって、その後の展開を視野に入れ、自説の再検証も含め、準備して臨みます。

定例研究会は会場費や資料などの実費程度の負担(非会員は1000円)で、一般に公開されています(過去の定例研究会のリストはこちら)。

「サイクス=ピコ協定から百年」は日本で「ニュース」になりうるのか

5月16日(月)のNHKBS1「国際報道2016」の特集「サイクス=ピコ協定締結から100年」(特集がほぼそのままウェブサイトの「特集ダイジェスト」コーナーで活字になっています)で、サイクス=ピコ協定をどう適切に理解して、中東の現在の理解につなげていくか、について解説しました。

国際報道2016特集コメント

その冒頭では、近刊の新潮選書『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』の表紙が映し出されました。

国際報道2016新潮選書写真
(「本を映し出したテレビ画面を撮影した写真」という若干珍しい構図)

公共放送NHKとしては珍しいことなのではないかと思います。

関西方面の放送局の政治社会バラエティ番組では(旧「たかじん」系をはじめとして)何かとゲストが最近出した本、はたまた司会者までが最近出した本を、やおら懐から取り出して宣伝するのがお約束になっていますが、NHKではあまりそういうことは目にしません。また、今回も、あくまでも本の宣伝ではなく「このテーマで本が出る」ことがあたかも「ニュース」の一部であるかのような形式での言及でした。「新潮社」と言った企業名への言及もありませんでした。

何でこのようなことになったのか、打ち合わせなどから私が推測したところを書いてみます。

まず、「池内がゴリ押しして近刊の広告をさせた」ということは全くありません。私としては、印刷・製本中でまだ見本も手元に来ていない段階ですので、番組中に本が紹介されることなど想像もしておりませんでした。打ち合わせで何回もやり取りをして番組構成・議論内容が固まった後で、先方から「本を番組で映させて欲しい」との依頼があって、慌てて表紙と造本見本を手配しました。表紙カバーは出来上がっていますが、本体は印刷中のものを抜いてくるわけにはいかず、本の型と厚みだけを示した白紙のものです。当日、担当の編集者Tさんが届けに来てくれました。

ましてや「池内が番組の特集自体を企画して放送させた」などということはありえません。私の本は、ある遠大な意図があって、願わくばシリーズ化しようと考えている企画の第一弾として、ちょうどサイクス=ピコ協定から百周年が来る月ということもあるし、ということでこのテーマに設定しました。

NHKの方でも、当然ですが中東に関与したことがある記者やディレクターはサイクス=ピコ協定というネタがいわば「鉄板」であることは理解しており、百周年の当日が放送日なのだから特集をやりたいという案は以前からあったようです。しかし、「歴史」なのであまり動く映像がない。また、海外放送局からニュースを抜粋してきて編集するというNHKBS1の得意のやり方も、「百周年」となると、当日のBBCとかアル・ジャジーラとかが何を報じるかは事前に分からないから、特集として事前に準備できない。外国の放送局が大々的に報じた後なら、それらをザッピングして報じるという手が使えるのですが、今回はやりにくいのです。

そして何よりも、日本の視聴者がこのテーマを重要であると受け止めるかどうかが分からない。世界史の教科書には載っているけれども、多くの人は忘れてしまっているだろう。また、それが百周年だからといって、例えばその日に無効になるとかそういった変化はないわけだし、セレモニーなどが行われるわけでもない。新資料が発掘されたわけでもない。これが特集に値するニュースなのだ、ということを視聴者に、そしてそのような視聴者の反応を気にする局内を説得することが、意外に困難であったと思われます。

政治学的には「官僚制意思決定モデル」みたいなものを想定すると分かりやすい。

テレビ番組というものはものすごい沢山の人間が関わって作っています。現場にいる人だけでもすごい数です。それだけでなく「ある番組であるテーマで特集をやって何を伝える」ことを決定して実行して、さらにそれを評価して次に繋げるまでには、現場にいない人も含めて、非常に多くの人が関与し、何層にもわたる組織的意思決定過程を介します。

おそらく「サイクス=ピコ協定締結百周年」という特集テーマは、局内の、番組の関係者の一部で温められていたけれども、本当にこの日の特集にしていいかどうか組織的意思決定の材料の決定打を欠いていたのではないでしょうか。そこに「池内の本が(というよりも正確には「このテーマで本が」)出る」という「事実」が判明したことで、前に進んだ、少なくとも進むきっかけを私の本が与えたのではないか、と私は想像します。それもあって、冒頭でなぜか私の本が「ニュース」のように紹介されたのでしょう。「耳慣れない話題かもしれないけれど、この話題について一冊本が書かれるぐらいのテーマなんですよ」ということを示すためにですね。

私としては、このような動きは望むところでもあります。というのは、そもそも、この本を出版する意図、あるいはこの本を第一弾とする新潮選書の「中東ブックレット」(と私が勝手に名付けている)シリーズを発足させる意図の一つは、メディア向けに、中東に関する話題のテーマについて、知っておくべきこと、筋の通った論理、適切な論点を、若干込み入っていて今時の分かりやすい入門書では省かれるかより分かりやすくまとめられてしまうところまで立ち入りつつ、薄めの一冊にまとめておく、というものであったからです。

要するに、ある問題が話題になった時に、個別に一から説明している時間がとても取れないので、話題になりそうなテーマについてはあらかじめブックレット程度の規模で一冊まとめておいて「これを読んでください」と言えるようにしておきたかったのです。

そうしたら早速そういう需要があった、というかむしろ、本を出したことでそのような需要の創出に多少力を貸したことになったような雰囲気でした。

ただし英語圏では、この話題は鉄板ネタであって、5月16日に多くの特集番組や記事が公開されています。

また、昨年あたりからこの話題については本屋に平積みになる本が何冊も出ていますし、そもそも2014年6月の「イスラーム国」の台頭以来、幾度となく「サイクス=ピコ協定」と結びつけた議論・論争が、いろいろな立場から提起されています。

そういった記事をまたこの欄で紹介していくことにしましょう。

【講演予定】(4)新潮社「la kagu(ラカグ)」でブックトークを

一般向け講演の通知その4。

5月30日(月)に新潮社でブックトークを行います。5月27日に刊行予定の『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』について。

表紙ができていました。

新潮選書「サイクスピコ協定」表紙
『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書、2016年5月27日刊行予定)

新潮社が社屋の隣の旧倉庫を改装してla kagu(ラカグ)というモールを作ったのですね。その2階のイベントスペースsokoで、連日のようにブックトークが行われています

日時:2016年5月30日19:00~
場所:la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko
東京都新宿区矢来町67
テーマ:「中東問題の“難所”『サイクス=ピコ協定』の正しい理解のために」
料金:2000円(ホームページからチケットを申し込めます)

ここでのイベントは評判がよく、結構早くチケットが売り切れてしまうそうです。

先日は八重洲ブックセンターで『コーランの読み方』についてのトークをしましたが、日本でもブックトークが行われる場所が増えてきたのはいいことですね(英語圏ではBook Launchと呼ぶようで、私もワシントンDCやロンドンに立ち寄った時に、書店やシンクタンクなどのウェブサイトをチェックして、時間が合ったら覗いています)。

【講演予定】(3)先端研のオープン・キャンパス(6月4日)

一般公開の講演予定その3。

6月3日・4日に先端研・生産研のオープン・キャンパス「東大駒場リサーチキャンパス公開2016」が行われますが、2日目にその一環として公開講演を行います。

日時:6月4日(土)13:00~14:40
場所:東京大学先端科学技術研究センター 3号館南棟1階ENEOSホール
演題:「中東国際政治の動揺とグローバル・ジハード」(前日の高校生向け講演とは内容を変えようと思っています。こちらは国際政治と思想史について)

この講演は録画されて東大TV(http://todai.tv/)で後日に公開される予定です。

【テレビ出演】NHKBS1「国際報道2016」でサイクス=ピコ協定から百年の節目に

自分が出す本で書いたことでもあるんですが、5月16日で、1916年のサイクス=ピコ協定から100年の節目になるんですね。

この日、5月16日(月)の夜10時から、NHKBS1「国際報道2016」に出演して、サイクス=ピコ協定が現代に持つ意味について解説することになりました。

NHKBS1サイクスピコ協定100年特集

特集の概要(NHKが作ったもの)は次のようになっています。

「サイクス・ピコ協定」締結から100年
第1次大戦によってオスマントルコ帝国が解体したあと、イギリスとフランスがその広大な領域を分割する根拠となった密約「サイクス・ピコ協定」。その締結からこの日、100年の節目を迎える。ヨーロッパ列強による一方的な分割は、いまもイスラム過激派組織などの反発の根柢に横たわっているといわれる。いっこうに理解の溝が埋まらない欧米と中東地域。混乱の淵源となった「サイクス・ピコ協定」から読み解いていく。
出演:池内恵(東京大学准教授)

本は予約ができるようになっていました。5月25日ごろには出回る予定です。一つずつ成果を出していきます。

『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書)

【講演予定】(2)駒場で「高校生のための金曜特別講座」に(6月3日)

一般公開の講演の予定その2。

6月3日に、駒場の東大教養学部で、「高校生のための金曜特別講座」の2016年度前期プログラムの第4回を受け持ちます。

日時:6月3日17時30分~
場所:東京大学教養学部18号館ホール
演題:「中東政治の変動とグローバル・ジハードの行方」(高校生向けを考えて、世界史と政治経済・倫理に関わるものにしようと思っています)

「高校生のための」と銘打っていますが、誰でも聞きに来て良いそうです。遠隔の高校にインターネットで配信されたりするようです。いろんなことをやっているんですね。

依頼されるまで、私はこの講座の存在を全く知らなかったのですが、これまでの回から抜粋して何冊も本が出ているようです

これとか。

これとか。

これも。

「熱血編」と「情熱編」もあるそうです。

【講演予定】(1)SMU/慶應シンポジウム(6月11日)で日米関係と国際テロリズムについて

公開の講演やシンポジウムでの登壇の予定をいくつか。

その1。日米関係と安全保障に関するシンポジウムで、グローバル・テロリズムについて、イスラーム思想・運動組織論の観点から報告します。

サザン・メソジスト大学(SMU)のTower Centerと慶應義塾大学グローバル・セキュリティ研究所が共催する「日米関係とアジア太平洋の安全保障」に関するシンポジウムが、6月10日(金)と11日(土)に慶應義塾大学三田キャンパスで開催されますが、この二日目のパネル3「安全保障の新しい課題と日米同盟」のパネリストの一人としての登壇です。

シンポジウム全体のお知らせへのリンクと、出席するパネルの他の報告者と報告タイトル、コメンテーターを記しておきます。

参加は無料で、特に資格は必要ありませんが、ウェブサイトから英語で登録が必要です。

大学のシンポジウムですので若干硬めの議論になりますが、米国側に対しては単刀直入にかつ面白く話さないといけません。

英語でやるか日本語でやるかはまだ決めていません。米国からの参加者には直接英語で話した方が通じやすいでしょうが、聴衆の多くは日本人なので、日本語の方がいいかもしれません。かなり優秀な同時通訳がつくと思います。

Sun & Star Symposium in Japan | U.S.-Japan Relations and Security in the Asia-Pacific: Challenges and Hopes
「日米関係とアジア太平洋の安全保障 課題と展望」

SMU慶應シンポ

3:45 – 5:15 p.m.
Panel III: New Security Issues and the U.S.-Japan Alliance
第3部:安全保障の新しい課題と日米同盟

Cyber Security and the New U.S.-Japan Defense Guidelines
サイバー・セキュリティと「新日米防衛ガイドライン」
Motohiro Tsuchiya, Keio University, Japan
土屋大洋(慶應義塾大学)

Security Measures against Jihadist Terrorism
ジハード主義テロに向き合う安全保障
Satoshi Ikeuchi, University of Tokyo, Japan
池内恵(東京大学)

Food Security after the 3.11 East Japan Earthquake
東日本大震災後の「食」の安全保障
Nicolas Sternsdorff-Cisterna, Assistant Professor of Anthropology, SMU
ニコラス・スターンズドーフ・シスターナ(サザンメソジスト大学)

Discussant: James Hollifield, Director of the Tower Center, SMU
討論者:ジェームズ・ホリフィールド(サザンメソジスト大学)

【テレビ出演】本日の「NHKクローズアップ現代」でグローバル・ジハードの拡散について

本日3月16日午後7時30分からNHKクローズアップ現代「テロ“拡散”時代 世界はどう向き合うか」に出演し、グローバル・ジハードの拡散と拡大のメカニズムについて解説します。(再放送は日付変わって17日の午前1時3分〜)

番組予告はここから

クローズアップ現代

番組予告ではテロの「標的」がソフトターゲットになっていることを強調しているようですが、私自身の解説は、テロの「主体」の側が拡散し分散型・自発的呼応型になっていること、さらにそれがイラクやシリアなどで領域支配を「拡大」することによって、聖域・拠点を得て、拡散にもさらに強度を増したハイブリッド型になっているといった基本ラインを説明しようと思っています。

また、クローズアップ現代のリニューアルも近づいている間近ですので、2001年の9・11事件以来の世界の変動についても振り返ってみたいですね。長かったような、短かったような。

【テレビ出演】1月1日放送の「ニッポンのジレンマ」が1月30日0時30分から再放送へ

米国出張で、米自治領プエルトリコ(学会)→テキサス州ダラス(サザンメソジスト大学)→同カレッジステーション(テキサスA&M大学)等を周って最後の用務をすませ帰国便に乗るはずだったニューヨークで、米東海岸を北上する暴風雪(Winter Storm Jonas→Blizzard 2016)に捕まり、足止めを食っております。SnowstormとBlizzardの定義を勉強いたしました。

20インチ以上、もしかすると24〜28インチ近くにもなろうかと予想されている、ニューヨークの観測史上(1869年以降)5指に入るとも喧伝される大雪のため、車両通行止めとなってマンハッタン島は「歩行者天国」状態になって静まり返っており、駸々と雪のみが降り続いておりまして、ホテルで缶詰になって遅れた原稿を進めています。

米国のもっと北、五大湖のあたりなどは気温もはるかに低く、ずっとBlizzardが吹いていると言っていいぐらい降雪・積雪もすごいので、雪国の人は大騒ぎを見て笑っているとは思いますが・・・「ニューヨーク雪まつり」のような雰囲気ですね。もっとも関連した死者も出ているのであまり興味本位ではいられませんが。

この機会に、1月初頭から滞っていた、刊行・テレビ出演情報の更新をいたします。

まず、元旦に放送されていた討論番組へのビデオ出演について。近く再放送されるようですので、今のうちにおしらせしておきます。

「ニッポンのジレンマ元日SP「 ”競争”と”共生”のジレンマ」NHK・Eテレ、2016年1月1日午後11時〜(150分)

ニッポンのジレンマ・ロゴ

これが、2016年1月30日(土)深夜0時30分〜3時(どうやら1月31日の0時30分〜3時ということらしいです。公式ウェブサイトの表記は紛らわしいというか、言語として間違っているのではないかと思います。1月30日24時30分〜と書くべきでしょう)に再放送される模様です

この番組の中で、スタジオの討論者ではなく、収録ビデオで出演しています。事前収録のVTRがスタジオで映し出される3人の「上の世代」(と言ってもあまり年齢が違わない人たちがスタジオに混じっていますが・・・)の一人として、間接的に参加しています。他の二人は堀江貴文氏、川上量生氏です

なぜかホームページにもこの3人の名前が載っておらず、事前にウェブで公開されていたらしいVTR(もしかすると放送されたものよりも長め)も視聴不能になっているなど、番組・ウェブサイトのいずれも全般に分かりにくい立て付けになっていますが、まあいいでしょう。番組にはフェイスブックのアカウントも存在しているようです。

研究室でディレクターとカメラに向かって長くしゃべった中のごく一部を切り取って編集されてVTRにされ、それを見せられたスタジオの論者があまり準備もせずに反応して、それがまた編集されているようですので、噛み合っていません。

キャッチフレーズのようにして言っておいたため、おそらく番組で必ず使うだろうな、と予想していた部分への反応がなかったのが(少なくとも編集後の放送されたものには)、残念でした。

その部分は、だいたい覚えている範囲では「2015年は西欧・欧米の普遍主義が実はそれほど普遍ではないことを様々な形で気づかされた年だった。2016年はそのことをもっとあからさまに認めてしまう年になるだろう」と、かなりアイロニーやニュアンスを載せて話したので、もう少し良く考えて欲しかったのですが、これについて誰も反応せず、学者の世界では良くある反応、つまり「文明の衝突」という言葉をあえて私が使ったところ「使っちゃいかん」と反応するという形の議論が行われ、それに反論する議論も出ましたが、煮えきらないまま終わったようです。

単に「文明の衝突」と言っていいのかいかんのか、という話ではなく(それは定義や目的次第で様々に議論できますが)、それとグローバル化が進む中で「普遍主義」が今後も理念的にそして実際的に可能なのかどうか、という話を加えて、思想的あるいは歴史的な状況認識を再検討したり、現状と将来を見通すための分析概念の再構成をしたりすれば面白かったと思いますが、考えてみたらそんな議論は既存の学問の枠組みの中で誰もやっていないのだから、突然テレビで行われるはずもないのかもしれません。しかしテレビは学会発表でも研究者の研究会でもないので、出る人はもっと「片鱗」を見せればいいんじゃないかと思いますが。

再放送で、この噛み合わない感じをぜひご覧ください。

【テレビ出演】明日(11月22日)のNHK「日曜討論」に出演:パリ同時テロについて

明日、11月22日のNHK「日曜討論(朝9:00〜10:00)」に出演します(ラジオ第一でもやっています)。

テーマはパリ同時テロ事件です。テロ事件そのものの分析と、政治・外交・安全保障上の影響・波及など。

実質的な議論ができそうで楽しみにしています。

日曜討論2015年11月22日

日曜討論には過去、思い出せるだけでも3回ほど出演の打診がありましたが(最近ではシリア日本人人質事件など)、毎回海外出張と重なっていて出演できませんでした。出張費用節約のため、自分で計画する調査では変更不能のチケットを買っていますので、直前に言われても変えられなかったからです。現地からスカイプで参加したっていいと思うんですが、同じ時間に東京のスタジオにいられる人だけで話し合わないといけないんですね。国際問題を論じるための出演者を集めるには現実的ではない条件だと思うのですが。

今回も実は、日曜朝にインドネシアに向けて出発する予定だったのですが、今回は招聘元の財団のご厚意により、チケットを変更していただくことができました。関係者の皆様に御礼申し上げます。

その代わり、私は出演の後、乗り継ぎ深夜便で行って朝に現地に到着してそのまま会議で英語で発表、という未知のゾーンに入りますが。私は帰国子女ではないので、英語発表への準備と労力は数十倍かかります。そういった代償を払っての出演であるということはここに記しておきたい。

ご一緒するのは西欧育ちのEU研究者の吉田徹さん(北海道大学教授)など。

吉田さんとは最近北大のシンポジウムでお会いすることができましたが、考えてみると、私が文章を書き始めた最初の頃に寄稿した『日本はどう報じられているか』(新潮新書、2004年)でご一緒していました(当時は顔合わせすることはありませんでした)。編者の石澤靖治先生、ありがとうございました。

この本は、地域研究者が各国の日本報道について記したもので、かなり評判が良く、隠れたロングセラーでした。

この頃、私はアジア経済研究所、吉田さんは日本貿易振興機構に勤めていました(この二つは当時すでに特殊法人統合で一つの組織になっていましたが、実態としては所在地も遠く、机を並べていたわけではありません)。二人ともまもなく大学に出てしまいましたが。

(あんまりこういうことを書くべきではないのでしょうが、もう中堅以上の研究者になっている吉田さんですからもういいと思いますが、吉田さんのご尊父は、かつて、某深夜討論番組華やかなりし頃の、常連出演者だった方なんですよね。結構印象深い論客として、名前を出せば覚えている方もいるのではないでしょうか。私はご尊父の書いた国連と広報に関する中公新書も読んでいました。「討論番組」となると血が騒いで普段の洗練された政治学者の仮面をかなぐり捨てて論破してきたりしたらどうしよう)

【テレビ出演】「クローズアップ現代」(11月16日)での発言がNHKウェブサイトに

昨日出演した「NHKクローズアップ現代」の内容が、活字と静止画像でNHKのウェブサイトに掲載されました。

「NHKクローズアップ現代 No. 3733 緊急報告 パリ“同時テロ”の衝撃」2015年11月16日

私の発言も、詳細に確認してはいませんが、スタジオで生で発言した通りに文字起こしされているはずです。一部、「領域支配」と言ったはずが「領地支配」に変換されていたりします。そう聞こえるのかもしれませんが、そうは意図して発言していません。若干精度の荒い記録とお考えください。

いずれにせよ、このような文字起こしを公開し残しておくことは、信頼性のある報道番組であろうとするならば必須の条件と言っていいと思います。

発言時間は国やキャスターとのやりとりを含めて8分程度しかありませんので、事前の打ち合わせではもっと多くの論点を入れようと準備しましたが、実際にやってみると入らない部分もありました。

ただ、組織原理や戦略目標が変わったのではなく、従来のグローバル・ジハードの各地の分散型・自発的テロの多くの種類を組み合わせ、「冷酷さ」と手際良さにおいて「進化」したという論点はじっくり議論できたように思います。

何がこの「冷酷さ」をもたらしたかは、今後検討しなければなりませんが、渡航してイラクやシリアでの戦闘に関わったり、あるいはそこからもたらされる残酷な情報に触れることで、麻痺してしまったのかもしれません。

【テレビ出演】NHK「クローズアップ現代」でパリのテロについて(今夜再放送があります)

忙しくて、また急だったので、通知すらできませんでしたが、NHK「クローズアップ現代」(午後7時30分〜7時56分)に出演しました。

「NHKクローズアップ現代No. 3733 緊急報告 パリ“同時テロ”の衝撃」2015年11月16日(月)

クロ現2015年11月16日パリ同時多発テロ1

再放送は今夜日付が変わって17日(火)午前1時00分〜1時26分です。

「拡大と拡散」について噛み砕いて話すことができました。元来が持続が困難な難民・移民政策の変更のきっかけ、言い訳となる可能性や、軍事行動による拠点の「拡大」阻止が、少なくとも短期的には「拡散」を促進する可能性についても話してあります。

今回が「組織的」であるかというと、これまでより高度になって、「冷酷さ」において進歩し(その原因が何なのかまでは語れませんでしたが)、手際が良くなったといった論点も入れておきました。

【テレビ出演】BS-TBS「週刊報道LIFE」でパリの同時多発テロ事件を解説

本日夜9時から、BS-TBSの日曜夜の報道番組「週刊報道LIFE」(9:00~9:54生放送)に出演する予定です。

BS-TBS週刊報道LIFE

テーマはパリの同時多発テロ事件とその影響について。

ウェブ上の番組案内ではこのように記されています。

「パリ同時多発テロを緊急特集。
120人以上が犠牲となった、これまでにない大規模なテロ。
イスラム過激派との関連は、そして今後の展開は…
気鋭のイスラム研究者、池内恵・東大准教授が
最新情報を交えてスタジオ生解説。」

急遽予定していた番組内容を差し替えてパリのテロ事件を特集するということですので、いろいろ考えたのですが、出先から戻って出演することにしました。

本当は、この週末は大きな文章仕事の山場だったのですが。しかしテロですでに邪魔されているので、もうこうなったら今しか調べられないことを調べて考えます。

テレビ出演は労力がかかって研究の進展には必ずしも助けにならないこともあるので、それほど頻繁には行っておりませんが、この番組の前身の「週刊BS-TBS報道部」には2月1日と3月22日に出演して、「イスラーム国」による人質殺害と、チュニジアのバルドー博物館のテロについて、それぞれ解説しました。

2月1日の出演については、このブログには出演情報が記されていないが、当時おそらくフェイスブックでは出演告知をしていたのかな。人質事件の情報分析であまりに忙しかったものですから。2月1日にBS-TBSで話した内容の一つがこれ。脅迫ビデオを見れば、「軍事か非軍事か」などということを「イスラーム国」側は問題にしていないことが明瞭だ、という話

この番組とのご縁は、『フォーサイト』(新潮社)がウェブになる前の月刊誌だった時代に連載「中東 危機の震源を読む」を設けてもらってお世話になった、堤信輔元編集長がコメンテーターになっているため。今回、堤さんも本来は出演予定ではなかった回ですが、急遽出てきてくださるそうです。

イスラーム世界では金曜日に物事が動きやすいのですが、日本では「土・日は堅苦しいニュースは見たくない」という一般聴衆の感情を慮って(なのか)、軒並みニュース番組は休みます。そのため、金曜日に起こったイスラーム世界の出来事についての土・日の報道が要領を得ず、月曜日にはもうニュースの旬としての時期が過ぎているので報じられない、ということを繰り返しています。24時間ニュース局ができれば問題は解決するのですが、需要がないのでしょうね。いつまでたっても日本のBBC は現れません。特に土・日は地上波ではニュース番組がほとんどなく、テレビを情報源としている人たちにとっては情報が途絶します。それに新聞休刊日が重なったりすると、要するにテレビ局も新聞も記者が休んで当直の人しかいない状態になるので、あらゆる意味で情報の流通が悪くなります。ワーク・ライフ・バランスは大切ですが、メディアの人ぐらいは土日に働いてもいいんじゃないの?と思いますが。ニュースは365日24時間全力で追いかけて発信する体制を作り、平日に交代で休めばいいじゃないですか。

その中で日曜日にまともにニュースを扱おうとする番組企画があると、ちょっと無理してでも出演してみようかな、という気になったりします。