【寄稿】明日(9月1日)日経新聞「経済教室」に

明日、9月1日の日経新聞「経済教室」に寄稿しています。3回シリーズ「流動化する中東」の第3回(下)です。体調を崩していたので間に合うかおぼつかなかったのですが、最終回にどうにか間に合いました。

シリーズのこれまでのところを見てみました。上は、間寧さん(日本貿易振興機構アジア経済研究所中東研究グループ長)、中は田中浩一郎さん(日本エネルギー経済研究所中東研究センター長)です。

間さんはトルコのエルドアン政権とギュレン派の対立など内政を中心に、それに絡んだ欧米との関係の冷却化に言及しつつ、トルコはロシアと欧米と両方との関係をもって梃子にしてきたことから、軋轢の高まる欧米との関係も、決定的に悪くはならないのでは、という見通しも示唆していらっしゃいます。

田中さんは、米国のエネルギー資源の中東依存度の低下、原油価格の低迷などを背景に、米イラン核合意で高まったサウジアラビアの危機感が、イランとサウジの対立を激化させ、地政学リスクを高める要因となっているといった点を含め(雑なまとめですみません)、トルコの「イスラーム国」や他のシリアのイスラーム主義民兵への支援などについて、ニュアンスに満ちた解釈を示しておられます。

それに対して私の方は、「アラブの春」以後のアラブ諸国の国家と社会の崩壊が、民兵集団の跋扈する武力の多元化状況をもたらし、トルコやロシアなど地域大国・域外大国の介入が加わって流動化する流れを主に議論しています。

「経済教室」はシリーズの他の回が誰になるか、どんなテーマと内容かを教えてくれないのですが、結果的に相互補完的になるのが不思議です。

また、単争点的な議論をしない人が主に執筆依頼を受けるためか、総合的な部分では重なるところが多いようです。トルコから、イランから、アラブから見たとしても、いずれも米国やロシアとの関係が及ぼす影響を考慮しますし、非国家主体の台頭にも着目します。また、アラブの問題にイランやトルコが介入することが当たり前になってきたため、切り分けて論じることに、またどれか一つの視点を絶対視して議論することに、意味があまりない時代になってきました。

そのため、どの視点からも、結論に違いはないのではないでしょうか。

【今日の一枚】(23)シリア内戦の相関図(2016年8月現在)

「シリア内戦の諸当事者の数と相関関係はこんなに複雑!」という図は、英語圏の主要メディアが何度となく、手を替え品を替え、グラフィックの能力を競うかのように、出してきました。若干面白半分というか、呆れ半分にいろいろな描き方が過去に提起されてきました。シリアだけでなくイエメンやリビアなどアラブ世界で並行して進む内戦・国家崩壊への、各勢力の関係を含めるともっとややこしくなります

8月24日以降のトルコ軍部隊のシリア北部侵攻を受けて、CNNが最新の図を出してくれました。

シリア内戦相関図CNN20160825
“The free-for-all in Syria will make your head spin,” CNN, August 25, 2016.

「トルコと旧ヌスラ戦線の関係はどうなの?」とか、いろいろ突っ込みたい人はいるでしょうが、すべての当事者が出揃った感があります。

【今日の一枚】(22)英エコノミストのDaily Chartはやはり秀逸

昨日、英Economistのシリア内戦勢力図が、4月段階のものと8月段階のものを比べてみると、やはり簡にして要を得た、優れたものであることを見てきました。

日々の記事に添えられた地図やグラフがすばらしいのですが、こういったグラフィックを集めたDaily Chartというカテゴリのコーナーはお勧めですね。

拙著『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』は今年5月の100周年に合わせて出し、地図を多く作成して添えておきましたが、Economistも記念日に合わせてDaily Chartに地図を配信していました。

英エコノミストDaily Chart_May_16_2016
“Daily chart: Sykes-Picot 100 years on,” The Economist, 16 May 2016.

英仏だけでなく、より中東に密着したロシアが、この協定に加わっていたことを描いていますね。帝政ロシアはトルコ南東部の、当時アルメニア人やクルド人が多く住んでいた地域に、南コーカサスの勢力範囲を延伸して介入してきた。そして、イスタンブル周辺の戦略的要衝のボスフォラス・ダーダネルス海峡の支配圏も、英仏に対して認めさせた。結局帝政ロシアが翌年の革命で崩壊したので夢と終わったのですが。そうでなければ世界地図は大きく変わっていたでしょう。

サイクス=ピコ協定は、それが何かの原因というよりは、露土戦争と東方問題の「結果」であるという認識があると、現代の中東情勢を見る際にも、現地の地政学的環境を踏まえた視点が定まります。

【今日の一枚】(21)シリア北部ジャラーブルスへのトルコ軍部隊の侵攻の背景は

少しお休みしていた「今日の一枚」を再開してみましょう。「続き物」として道筋を通そうとすると、事態が発展していくうちに追い抜かれたりしてややこしくなって結局更新が滞るので、気楽に「一枚」をぺらっとアップする初歩に立ち戻ります。

ただでさえややこしいシリア内戦ですが、8月24日に、トルコ軍戦車部隊がシリア北部のジャラーブルスへ侵攻し(よりによって米バイデン副大統領のトルコ訪問の最中に!)、いっそう関与・介入する当事者が増えました。

ここでシリア情勢の現状を再確認しましょう。かなり重要な転換点です。

やはり英Economistは地図が的確ですね。

シリア情勢地図20160811_Economist20160827
“Smoke and chaos:The war in Syria,” The Economist, 27 August 2016.

ポイントはアレッポの北方、シリア・トルコの国境地帯の諸都市、ジャラーブルス、マンビジュ、アル・バーブ、およびユーフラテス河です。

トルコのジャラーブルス侵攻の背景と目的を推測してみましょう。

表向きトルコは米国と共に、侵攻作戦を「イスラーム国の排除」としていますが、長期間放置してきた「イスラーム国」のこの地域での活動を今になって急に地上部隊を展開して対処するには、異なる要因が絡んでいるはずです。米国二とってはこの侵攻作戦は対「イスラーム国」と受け止めることが可能ですが、トルコにとっては対クルド人勢力としての意味合いが濃いのではないか、と推測できます。

6月21日頃からマンビジュに対してクルド人部隊YPGが主導するSDFが攻勢をかけ、8月半ばまでにほぼ制圧しました。それによって「ユーフラテス河以東にクルド人勢力の伸長を許さず」というトルコの「レッドライン」を超えました。

8月11日時点とされるこの地図を見ますと、緑に塗られた部分が、クルド人勢力の勢力範囲がユーフラテス河を超えマンビジュを含んだ上で、さらに北方の国境の町ジャラーブルスと、西方のアル・バーブに及びかけている様子が示されています。アル・バーブを制圧すると、クルド人勢力の支配領域が西の飛び地のアフリーンと一体化する方向に進みますし、アサド政権とクルド人勢力が連携すれば、黄色く塗られた、アレッポ西郊からイドリブにかけての反体制派(トルコとの関係が深い)の支配領域とトルコとの輸送ルートを切断することが可能になります。

この状況に追い込まれたトルコが、一転してロシアに擦り寄ったり(8月9日のエルドアンのサンクトペテルブルク訪問、プーチンとの会談)、イランと調整したりして(8月12日のイラン・ザリーフ外相のアンカラ訪問)、クルド人勢力の外堀を埋め、米国に対するカウンターバランスを確保した上で、8月22日からジャラーブルスへの砲撃を強め、8月24日から地上部隊をシリア領土に侵攻させました。これによって、クルド人勢力のユーフラテス河以西への展開を阻止し、クルド人勢力の支配領域の一体化(緑で塗られた範囲の一体化)を阻止することが、重要な戦略目的と考えられます。

【追記】
ブログ復帰に際して過重労働回避のために「一枚だけ」と戒めたにもかかわらず、地図シリーズの下書きを見ていたら比較するとわかりやすい地図があったので、早くも禁を破って二枚目の地図を。。。

同じ英Economistのウェブサイトに5月9日に載っていた、4月現在のシリア内戦の勢力図。比べてみましょう。

Syria_May_9_2016_Economist

“Daily chart: Syria’s war, violence beyond control,” The Economist, 9 May 2016.

この段階では、2月にアサド政権がアレッポ北方で、イドリブの反体制派がアアザーズを経てトルコのキリシュまで確保してきた補給路を切断する攻勢をかけたことや、クルド人勢力YPG/PYDが西クルディスターン(ロジャヴァ)の自治政府樹立への意志を明確にしたこと(斜線を被せている)などが主要なポイントでした。

緑色で塗られたクルド人勢力の支配領域をみると、4月の段階では、まだユーフラテス河の東側に止まってはいるものの、一部河を越えて越えてマンビジュ方面に向かっていることが、ちょこっとした筆先で示してありますね。8月段階の新しい地図ではユーフラテス河以西にクルド人勢力が大きく伸張していることを描いてあります。

前の地図が掲載されたのが5月で、そこで暗示されていたクルド人勢力のユーフラテス河以西への展開が、翌6月後半に、YPGおよびSDFによるマンビジュへの本格的な掃討作戦という形で現実となる。

そしてそれに対してトルコがロシアやイランとの関係を調整し直し、米国への圧力を高めた上でジャラーブルスに侵攻し、外交的・軍事的な反転攻勢に出たというのが、8月の段階の展開です。地図をみてこういったストーリーが浮かぶようになると、中東のニュースが必ずしも「複雑怪奇」に感じられなくなります。

よく見ると、4月段階の地図では、北東部のクルド人勢力の支配領域の中にアサド政権がかろうじて飛び地のように部隊を残してきたカーミシュリーとハサケが水色の斑点や染みのようですが、はっきり塗ってあります。先に挙げた8月段階の地図ではクルド人勢力の伸張でカーミシュリーの水色が消え、ハサケも非常に小さくなっています。またハサケの地名が記載されるようになりました。

これも前線の最近の変化を反映しています。アレッポ北方へのトルコ軍の侵攻に少し先立つ8月17日頃から、ハサケをめぐってクルド人部隊とアサド政権の部隊との衝突が生じ、18日には、アサド政権がこの近辺のクルド人組織に対して初めての空爆を行った模様です。

クルド人勢力とアサド政権とはこれまで直接の対立を避け共存する傾向が見られたのですが、ここでも衝突が起きたのは、もしかすると背後でトルコとアサド政権が反クルドで密約を結んだのか?などという憶測も掻き立てました。

衝突の結果、クルド人勢力がハサケの掌握を強めたと見られるので、Economistの最新の地図ではハサケの都市名を特に示しつつ、アサド政権の部隊の支配領域を極小に描いています。

(なお、8月段階の地図では、「その他の反体制派」の黄色が、シリア南部のヨルダン・イラクとの国境地帯のタニフにもきちんと塗られていて、抜かりがないですね。南部のタニフ近辺でのヨルダンを通した米英仏による反体制派支援や、それに対するロシアの牽制なども近年の注目すべき展開でした)

これらの展開に対するさらなる反応の結果、近い将来の地図もまた塗り替えられていくでしょう。目が離せません。

【寄稿】『中央公論』9月号に宇野重規さんとの対談が

宇野重規範さんとの対談が『中央公論』9月号に掲載されました。

宇野重規・池内恵「宗教と普遍主義の衝突」『中央公論』2016年9月号(8月10日発売)


『中央公論』2016年9月号

テロや難民問題、そしてSNSの時代の民主主義そのものが、欧州に発し世界に広げてきた普遍主義の理念の限界をあらわにしていく、という課題について対談の席を設けていただきました。

お相手は最近『保守主義』(中公新書)が売れている宇野さん。

私自身は、自由主義や人権といった観念の普遍性そのものが捨て去られたり乗り越えられたりしているわけではないが、その適用の限界が見えてきている、そしてグローバル化の中でイスラーム教という別種の根拠を持った普遍主義との間で摩擦が生じている、という点を、日々の事件や事象の中に常に見出していますので、それについて理論的に考えられて、勉強になりました。

私自身は西欧起源の普遍主義は嘘だ!という立場では全くないのですが、自由や人権という理念を無自覚に内在化していることで、逆にイスラーム教の別種の普遍主義の主張が存在して力を持ち、現に世界の人口のかなりの割合を動かしていることに気づけなくなり、適切に対処できなくなる、そしてそここそが、西欧の近代の自由や人権の基礎が綻びるところなのだ、という問題を以前からあちこちで論じていますが、それをまとめて言う機会を、そして言って受け止めてもらうならもっとも適切な相手を得ました(宇野さんにとって私が適切な対談相手だったかはわかりませんが・・・)。

『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』の出版意図についても話したりしています。

対談した頃にNHKのスクープがあって、巻頭特集をそっちで組むために、編集部は忙しかったようですね。。。

縦横にお話できて、誌面に乗りきらないところも多くある、有益な対談でした。

【寄稿】Voice9月号に『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』についての談話を

長めのインタビューがVoice 9月号に掲載されました。

池内恵「甦るサイクス=ピコ協定」『Voice』2016年9月号(8月10日発売)、183−189頁


『VOICE(ヴォイス) 』2016年 09 月号

この雑誌は初登場です。

目次の前後はこんな感じ。「おもてなし」に経営マインドを持ち込もうとしているアトキンソンさんが英国議会主権を語っているらしい。門川大作京都市長の対談と混同してしまった。

連載コラムには山形浩生さんとか三浦瑠麗さんなど。

Voice2016年9月号目次

『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』の内容を土台に、現在の中東情勢についても議論しました。本を書きながら普段考えていることを活字にしたような形です。

『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』が日経新聞で書評されました

少し前になりますが、日本経済新聞で『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』が取り上げられていたので、記録して、リンクを貼っておきましょう。読み逃した方はこちらからどうぞ。

「サイクス=ピコ協定百年の呪縛 池内恵著 『中東混迷の主因』は真実か」『日本経済新聞』2016年7月17日付朝刊

「いまの中東情勢がサイクス=ピコ協定の結ばれた頃に似ていることを示唆する部分は特に興味深い。」

「中東情勢を考えるうえで的確な視座を得られる。巻末の参考文献のリストも便利だ。」

と書いてくださっています。ありがたい。

この書評が出た効果なのか、直後の20日には4刷が決定され、8月3日には出来てきました。奥付上は8月5日付けで4刷になっています。

新聞書評に出ますと、図書館など制度的な購入が書類上通りやすいといったこともあるのではないでしょうか。

【寄稿】『週刊エコノミスト』の読書日記では『「憲法改正」の比較政治学』を

『週刊エコノミスト』の読書日記欄に寄稿していました。もう23回目になるんですね。

池内恵「改憲をめぐる憲法学者と政治学者の『一騎打ち』」『週刊エコノミスト』2016年8月2日号(7月25日発売)、59頁

取り上げたのは駒村圭吾・待鳥聡史編『「憲法改正」の比較政治学』(弘文堂、2016年)でした。

「しかし昨夏の安保法制国会可決の際にピークを迎えた「護憲」論には不可解なところが多くあった。護憲派を自認する側が、東大法学部を序列の頂点とする権威主義や、内閣法制局長官に代表される法制官僚による特権的な解釈権を主張して、自らの政治的立場を正当化したのである。これは到底自由主義と呼べるものではなく、偏差値信仰に依拠した擬似封建的な身分制度に基づく特権官僚支配を擁護する立場とすら言っていい」

・・・なんて書いていました。

この現象をイラン・イスラーム革命後のシーア派法学者が保持する三権に超越する権を参照して考えてみました。神の法とその神秘的・超自然的・無謬の解釈能力を持つイマームとその代行者たる法学者という頑強な信仰・理念の体系があり、それが広く庶民に支持されているイランの場合に比して、日本の場合はこのような憲法学者の立場はどのような根拠に基づいているのか。

フェイスブックでは今回の連載寄稿について、二度ほどフォローアップを書いてあります。

告知が遅れてしまったので雑誌は書店にはもう置いておらず、またいつも通りKindleなど電子版には掲載されていないので、アマゾンの在庫へのリンクを貼っておきます。

『中東協力センターニュース』への寄稿リスト(2012〜2016年)

『中東協力センターニュース』への連載寄稿は、「『アラブの春』後の中東政治」との通しタイトルで、2012年から14年にかけて8回にわたって続け、その後雑誌の月刊化・ウェブ化に合わせて2015年4月にリニューアルし「中東 混沌の中の秩序」としてから、今回が6回目です。連載と言っても毎回別のテーマについて分析しています。リニューアルを機に連載間隔を3号に一回、つまり四半期に一回と決めて、必死に守っています。

月刊誌時代の『フォーサイト』の連載「中東 危機の震源を読む」では月一回、決められた日を締め切りとする定時・定点観測を行っていましたが、『フォーサイト』がウェブ化してからは連載をアーカイブ的蓄積として活用しつつ、新たに「中東の部屋」そして「池内恵の中東通信」を設け、事態に即応した臨機応変の、半日単位での即時性を追求しています。

その反対に『ブリタニカ年鑑』では一年に一度というのんびりした間隔での、世界のイスラーム教をめぐる動向に限定した、定時・定点観測を行うことになっています。

『中東協力センターニュース』の連載寄稿はこの中間ぐらいで、四半期に一度、その時点での中東やイスラーム世界に関する重要な課題を選んでまとめてみることで、頭をリセットするために使っています。これを重ねていくと、論文や単行書へとつながっていきます。

ツイッター(@chutoislam)では分単位の隙間時間にニュースをリツイートすることに限定し(時々遊びがあります)、フェイスブック(https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi)では、ソーシャル・リーディングの過程で刺激さえて思いついたあらゆることを試しに書いてみる、という具合でしょうか。そこから何かにつながることもありますし、何にもつながらないこともあります(たいていは直接的には何にもつながらない)。フェイスブックからアゴラへの転載を一部許可しているのも、偶然何かにつながればいいかな、という軽い気持ちからです。

それらの複数のメディアへのアクセスをこのブログで一括して行うポータルとしての機能を高めたいところです。

『中東協力センター』への寄稿がかなり溜まったので、この間の中東の変化を振り返る意味も込めて、リストにしてリンクを貼っておきます。何回かは、刊行された時にブログで告知をするのを怠っていました。そもそも2013年まではブログも存在しなかったわけですし。全て無料でダウンロードできます。また中東協力センターのウェブサイトのJCCMEライブラリーには他の論稿も一覧になっており、ダウンロードできます。

「『アラブの春』後の中東政治」
第1回「池内恵「エジプトの大統領選挙と「管理された民主化」『中東協力センターニュース』2012年6/7月号、41-47頁
第2回「政軍関係の再編が新体制移行への難関──エジプト・イエメン・リビア」『中東協力センターニュース』2012年10/11月号、44-50頁
第3回「『政治的ツナミ』を越えて─湾岸産油国の対応とその帰結─」『中東協力センターニュース』2013年4/5月号、60-67頁
第4回「アラブの君主制はなぜ持続してきたのか」『中東協力センターニュース』2013年6/7月号、53-58頁
第5回「エジプト暫定政権のネオ・ナセル主義」『中東協力センターニュース』2013年10/11月号、61-68頁
第6回「エジプトとチュニジア──何が立憲プロセスの成否を分けたのか」『中東協力センターニュース』2014年2/3月号、74-79頁
第7回「急転するイラク情勢において留意すべき12のポイント」『中東協力センターニュース』2014年6/7月号、67−75頁
第8回「中東新秩序の萌芽はどこにあるのか 『アラブの春』が一巡した後に」『中東協力センターニュース』2014年10/11月号、46−51頁

「中東 混沌の中の秩序」
第1回「中東情勢を読み解く7つのベクトル」『中東協力センターニュース』2015年4月号、8−16頁
第2回「4つの内戦の構図と波及の方向」『中東協力センターニュース』2015年7月号、12−19頁
第3回「ロシアの軍事介入による『シリアをめぐる闘争』の激化」『中東協力センターニュース』2015年10月号、10−17頁
第4回「サウジ・イラン関係の緊張 背景と見通し」『中東協力センターニュース』2015年1月号、14−25頁
第5回「エジプト・サウジのティラン海峡二島『返還』合意―紅海沿岸地域の安全保障体制に向けて―」『中東協力センターニュース』2016年4月号、9−20頁
第6回「ラマダーン月のテロ続発の思想・戦術的背景」『中東協力センターニュース』2016年7月号、14−22頁

【寄稿】ラマダーン月のテロについて、宗教的背景と論点整理を『中東協力センターニュース』に

2週間ほどブログの更新を休んでおりました。ドイツから南仏にかけて、じっくり考えながら動いておりましたので、ネットの繋がりも悪く、時間もなく。地図シリーズ、毎日更新していたのが途絶えてしまいましたが、そのうち再開します。まずは論文を優先ですね。

その間に出版されていた成果を順次アップしていきます。まずはこの一本。

池内恵「ラマダーン月のテロ続発の思想・戦術的背景」(連載「中東 混沌の中の秩序」第6回)『中東協力センターニュース』2016年7月号、14−22頁

ダイレクトリンクはこちら

イスラーム教の断食月であるラマダーン月は、今年は7月5日に終わりましたが、この時期にテロへの扇動がなされ、実際にテロが相次ぎました。日本での一般的な印象や言説として、「敬虔さが増す断食月になぜテロをやるのか」という議論がありますが、異なる宗教規範の元では、断食が課されているということと異教徒・背教者との戦闘行為への熱が一部で高まることとは矛盾しない場合があります。事件に関する基礎的事実関係を整理しつつ、そのあたりの議論の混乱の解消を試みたもので、ぜひ読んでみてください。

ラマダーン月の終わりとともにテロの連鎖が終わるのではなく、むしろラマダーン月のテロ続発に触発されたのか、7月後半には特にドイツやフランスでテロが続きました。私の西欧滞在中にローン・ウルフ型のテロが西欧でピークに達した感がありました。