【寄稿】【無料公開】『外交』3/4月号に中東の国際秩序について

外交専門誌『外交』の3/4月号が刊行されました。

今回は中東特集で、そこにインタビューに基づく論稿を寄稿しました。

今回は新型コロナ禍で図書館や大学など、この雑誌が置かれる場所の多くが閉鎖されているため、編集部が思い切って全論文のインターネット公開に踏み切りました。「外交web」に掲載されており、無料で閲覧、ダウンロードできます。

池内恵「エスカレーションから一転 『奇妙な安定』へ」『外交』Vol.60, pp. 24-31.

年初のイラクでのイランの革命防衛隊スレイマーニー司令官の米軍による暗殺を機に高まった緊張を背景にした中東特集ですが、その後コロナ問題が浮上し、それについても緊急に冒頭でいくつもの論稿が掲載されており、即応性も高いものになっています。

ぜひこの機会にご一読ください。

【寄稿】仏FRSのウェブサイトに中東秩序に関する総論を

2月28日に、パリのFRS(Fondation pour la recherche stratégique)を訪問して講演やインタビューを受けましたが、FRSのヴァレリー・ニケ先生が私の議論のエッセンスをQ&Aスタイルで簡潔にまとめてくださいました。FRSのウェブサイトに掲載されています。

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【お知らせ】2020年度の講義の開講時期と方法について(2020年4月5日更新)

【2020年4月5日追記】先端学際工学専攻で4月から新規開講する「グローバルセキュリティと宗教」のオンライン授業へのアクセスのためのURLはすでにUTASに記載してあります。当日の授業開始時間にUTASへのアクセスが集中して遅くなる可能性がありますので、履修希望者は、前もって余裕のある時間帯にUTASにアクセスし、URLをコピーしておき、当日の授業時間にアクセスしてください。駒場Iや本郷キャンパス所属の大学院生も履修できます。

【2020年4月1日追記】固定ページ「講義情報」に列挙された令和2年度の授業の受講を希望する学生は、UTAS等を参照し、参加方法を確認してください。少なくとも4−5月は全面的にオンライン授業を行う(=物理的には一度も集まらない)ことが決定しています。

4・5月のS1タームに小泉悠特任助教と共同で開講する、先端学際工学専攻の「グローバルセキュリティと宗教」は、今年度からの新しい開講科目です。工学系研究科や先端学際工学専攻の所属学生に限らず、グローバルセキュリティや国際関係・地域研究に関心を持つ広い範囲の学生を対象とし、多くの書物を読み遠隔で議論する演習として開講します。

キャンパス間移動を必要としないオンライン授業の特性を積極的に生かして、研究科を横断した演習を目指します。単位は大学院修士・博士課程学生のみに付与されますが、学部学生で単位取得を伴わない参加を希望する学生は、しかるべき手段を用いて申し出てください。

【2020年3月24日】新型コロナ問題を受け、2020年度の講義の開講時期と、授業を行う手段が流動的になっています。私の講義を受ける希望を持つ東京大学の学生や非常勤で出講予定の大学の学生は、それぞれの所属する大学のオンラインの履修システム・学習支援システムを通じて、情報を得てください。

なお、私の2020年度の授業は、海外での広範囲な調査研究活動拠点形成の任務と両立させるために、ほぼ全てを集中講義とすることが、新型コロナ問題が顕在化する以前に決定していました。そのことからも、2020年度の授業の時期と形式は流動的です。

以前から、電子的な媒体でのテキストの配布や、参加者によるレジュメの電子的な共有・相互参照などを取り入れて、遠隔的に演習や講義を行う試みを行なってきており、今年度はそれらをより大幅に活用することになりそうです。

また、国を超えた移動の自由が大幅に制限されているからこそ、インターネットなどを通じて、海外の大学・研究機関などとも連動した授業を実験的に行う可能性があります。興味のある学生は積極的に参加してください。

集中講義のため、他の講義との時間帯の重なりも危惧されますが、遠隔講義の特性を活用して、より大きな効果を上げることを目指します。

参加希望者は、各大学の公式の情報に注目していただきたいのですが、場合によっては、講義についての最新の情報を、この個人ウェブサイトの固定ページ「講義情報」に掲載することもありえますので、適宜参照してください。

『新しい地政学』が刊行されました

東洋経済新報社から、北岡伸一・細谷雄一編『新しい地政学』が刊行されました。

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この本の第8章として、下記の論文を寄稿しています。

池内恵「『非国家主体』の台頭と『地域大国』––––中東と地政学」北岡伸一・細谷雄一編『新しい地政学』東洋経済新報社, 2020年3月12日, 343−363頁

この論文では、中東という地域概念と地政学との不可分の繋がりを概観しました。古典的な地政学論者であるアルフレッド・セイヤー・マハンが用いることで「中東」という語が広まり定着したといった、中東専門業界ではよく知られていながら、その外では、国際政治学の業界でもそれほど知られていない事実を指摘し、「チョークポイント」といった地政学上の基本概念によって規定される中東・イスラーム世界の国際政治上の重要性を論じました。

『新しい地政学』は、サントリー文化財団が2015年から、北岡伸一国際協力機構理事長を代表に開催してきた調査研究活動「新しい地政学の時代における国際秩序を考える研究会」の成果です。

サントリー文化財団の、文化・学術事業に理解の深い、経験の厚い役職員の皆様からは、ほとんど総出でこの研究会に多大なご支援を頂き、途中にはウラジオストックでの国際会議も行って、今回の成果刊行に漕ぎ着けることができました。まことに感慨深いものがあります。