【連載】今年も続きます『中東協力センターニュース』

 ここのところ年度末・年初ということもあって、研究プロジェクトを閉じたり開いたりの事務書類のやり取りや、各種連絡に追われている。本をまとめる作業も複数進行中。

 ついでに自分の書いてきた原稿も整理中。どこに何を書いたかがだんだん分からなくなってくるからね。

 今回リストアップしてみるのは、『中東協力センターニュース』で行っている連載「『アラブの春』後の中東政治」です。

 中東協力センターというのは、経済産業省所管の一般財団法人で、エネルギーを軸とした中東との通商貿易・産業協力の手助けをする。大まかにいえば「業界団体」ということでいいのかな?

 そこが出している雑誌に依頼を受けて連載を始め、1年半が過ぎた。こちらは今年度も継続とのことです。
 
 2012年の6月から、だいたい2号に一回のペースで連載している。この雑誌は隔月刊なので、4カ月に一回ということですね。ときたまテーマに連続性がある時は二号連続で書きます。

 ある程度「概説」を意識して書いているのが、この連載。

 直接の読者は、中東に仕事上関係することがある人向けに限定されているのであまり初歩の初歩からは書かなくていい。とはいっても中東政治やイスラーム政治思想の学術的な議論と、中東に関わっているとはいえ非専門家の認識・知識の差は著しいので、そこを埋めるのが直接の目的。

 とはいえ、雑誌がほぼそのままウェブ上でPDFで公開されるので、一般向けも多少意識して書いている。

 私自身がいろいろ興味を持って専門的に研究をしていることのダイジェストをここにまとめるというような使い方をしている。

 私は基本的に同じことを二度書かないことにしているのだけど、この連載だけは、他のところで取り上げたテーマや論点を少し分かりやすくしたり読みやすくして提供していることがある。「最近やっている、関心を持っていることのご紹介」という性質の欄と思ってください。

 ただし、連載第5回(2013年10月)の、クーデタ後のエジプトの「ナセル主義」についての稿は、他ではあまりまとめて書いていない内容を盛り込んである。写真を多く使えるというこの媒体の性質を生かしてみたかったものですから。

『中東協力センターニュース』掲載の論稿をダウンロードできるバックナンバーのページが各年度ごとに設けられていて、過去のもダウンロードできる(リンクは2013年度分)。

下記にはこれまでの連載のタイトルを一覧にしておきますので、ダウンロードページからどうぞ。

(1)
池内恵「エジプトの大統領選挙と「管理された民主化」『中東協力センターニュース』2012年6/7月号、41-47頁
【JCCMEライブラリー2012年度】

(2)
池内恵「政軍関係の再編が新体制移行への難関──エジプト・イエメン・リビア」『中東協力センターニュース』2012年10/11月号、44-50頁
【JCCMEライブラリー2012年度】

(3)
池内恵「『政治的ツナミ』を越えて─湾岸産油国の対応とその帰結─」『中東協力センターニュース』2013年4/5月号、60-67頁
【JCCMEライブラリー2013年度】

(4)
池内恵「アラブの君主制はなぜ持続してきたのか」『中東協力センターニュース』2013年6/7月号、53-58頁
【JCCMEライブラリー2013年度】

(5)
池内恵「エジプト暫定政権のネオ・ナセル主義」『中東協力センターニュース』2013年10/11月号、61-68頁
【JCCMEライブラリー2013年度】

(6)
池内恵「エジプトとチュニジア──何が立憲プロセスの成否を分けたのか」『中東協力センターニュース』2014年2/3月号、74-79頁
【JCCMEライブラリー2013年度】