『イスラーム国の衝撃』がKindleで静かに売れている

『イスラーム国の衝撃』が再び売れだしているようです。アマゾンを見ると、紙のものは売り切れてしまっていて入荷待ち。順位は本全体で150位台で頭打ちに。文藝春秋にはあると思うけどどうなんだろう。

今度はKindle版が売れ始めている。17日午後5時半現在、現在、全体で15位に上がっている。電子書籍は在庫が切れないというのがいいね。

新たに増刷したわけでもないし、全体としてそんなに売れているわけでもないだろう。書店は新刊でなければ新書もほとんど置いていない。本を出しすぎているので書店の棚に本が置かれず、必要だと読者が思った時は一部のインターネット書店とKindleに注文が集中するのだろう。

今後は、積極的に特定の書店に置いてもらってSNSで通知するとか、これまでのシステムでうまくいっていない部分を補う、迂回するような方策を考えていこうと思う。


イスラーム国の衝撃 (文春新書)

「拡大」と「拡散」については第8章の217−219頁あたりをご覧になるといいかな。

「拡散」については2013年に一連の論文で詳細に書いた。この辺りのエントリにリストアップしてあります。

「2013年に書いた論文(イスラーム政治思想)」(2014年1月19日)
「【論文】「指導者なきジハード」の戦略と組織『戦略研究』14号」(2014年3月31日)

拡散の背後の思想・組織論については以下の二つの論文を。

池内恵「グローバル・ジハードの変容」『年報政治学』2013年第Ⅰ号、2013年6月、189-214頁
池内恵「一匹狼(ローン・ウルフ)型ジハードの思想・理論的背景」『警察学論集』第66巻第12号、2013年12月、88-115頁

早期に想定されていた「拡大」については、次の論文を。

池内恵「アル=カーイダの夢──2020年、世界カリフ国家構想」『外交』第23号、2014年1月、32-37頁

拡散を当面の最適な組織論と考えたスーリーなどの2000年台半ばの思想・理論では近い将来には無理と考えられていた地理的・面的な領域支配と聖域の獲得を、2014年に思いがけずも達成してしまい、「拡大」の方向に一時振れたが、2015年には再び拡散の方向に進んでいる。拡大と拡散の「振り子」的動きについては、今年の半ば以降の研究会・学会報告や講演でいつも話してきたことだが、論文を今まとめているところだ。もっと早く出したかったのだが、目の前に事例が増えていくので書き終えられなかった。アイデアだけさらっとどこかに出しておけばよかった。しかし到底時間がなかった。

「拡散」の際の分散型組織・自発的参加と動員のメカニズムは、以前の論文で書いたことから、それほど変わっていないと思う。しかし、イラクやシリアに聖域があり戦闘の場があることで、「拡散」も様相が変わってきているとは言える。武器の使用法や戦術、そして昨日の「クローズアップ現代」でもちょっと話した「冷酷さ」「手際良さ」の面でも、でも格段に進歩してしまっている。