『イスラーム国の衝撃』が「新書大賞」の第3位に

「2016新書大賞」(中央公論新社後援)で、『イスラーム国の衝撃』
が第3位になっています。

『中央公論』3 月号143頁に『イスラーム国の衝撃』についての主要な選評の抜粋が載っています。135頁に20位までの順位表が。

「目利き28人が選ぶ2015年私のオススメ新書」(150−167頁)、永江朗・荻上チキ(対談)「『ぶれない軸」を持っているかがレーベルの明暗を分けた」(168−177頁)での選評もどうぞ。

『2016新書大賞」は、2015年内に刊行された新書を対象に、書店員、各社新書編集部、新聞記者、その他有識者などを含めた82人がそれぞれ5点を選んで集計したものです(正確には2014年12月から2015年11月発行の新書が対象なようです(『中央公論』3月号135頁)。

このブログで何度も書いているように、私は現在の出版業界の新書乱立、雑誌の特集一本程度の薄い内容で短期間に売る商法を好ましいとも持続可能とも思っておらず、距離を置いていますが、どうしても必要と考えて、狙った時期に投げ込んだ本が読者に受容され、このように評価も受けるのは、大変に嬉しいことです。

今年の新書大賞(第1位)は井上章一『京都ぎらい』(朝日新書)でした。

井上章一さんは、京都の日文研で同僚だったこともある先生ですが、確かに面白い。何度も書いたいつものテーマを二番煎じぐらいにすると、一般向けに売れて評価されるようです。著者インタビュー(138−141頁)で本人も「そんなに力を入れて書いた本ではないので(笑)」(138頁)と仰っています。井上先生が京都ネタを語る時に常に出す、(1)京都の旧家として有名な杉本秀太郎先生(フランス文学者・元日文研教授)に初対面の時に「嵯峨出身」と告げると、「あのあたりにいるお百姓さんが、うちへよう肥をくみにきてくれたんや」と言われたという衝撃の原体験、そして(2)京都府出身のプロレスラー「ブラザー・ヤッシー」の「京都凱旋」に対して会場の客が「お前は宇治やないか」とヤジが飛んだ、という鉄板ネタが、すでに活字でも何度見たか知りませんが、今回も目にすることができます。