MERS(中東呼吸器症候群)はラクダでうつるらしい

100枚(4万字)を超えた論文の詰めで朦朧としていますので、ニュース紹介は手短に。

2月20日 リビアで憲法起草委員会の直接選挙の投票が全国で行われる
2月22日 シリア内戦ではじめて国連安保理決議が可決(安保理決議2139号)。これはシリア内戦にどう影響を与えるのか。かえって激化するという説も強い。
2月24日 エジプトのベブラーウィー内閣が突如総辞職。これが何を意味するのか。

また、より重要かもしれないのは、イエメンで連邦制によって政治危機の打開を図る方向で辛うじて諸勢力が妥協しかけている。

こういった「アラブの春」後の移行期過程の全体像を把握し、逐一発生する事象を自然に理解できるような枠組みを、ずっと考えていて、そろそろ結果を出さねばならない。

そんなわけでこの数か月、連日連夜論文を書いているので、あまりまとまったニュース解説の時間が取れない。

政治の話は脇に置いて、別の意味で重大かもしれないこんなニュースでもご紹介。

“Camels Linked to Spread of Deadly Virus in People,” The New York Times, February 25, 2014.

MERS(Middle East Respiratory Syndrome:中東呼吸器症候群)は2012年頃から、サウジアラビアに渡航した人を中心に、ドバイなどを経由してヨーロッパにも広がり、WHOなども重大な関心をよせてきた。

10年ぐらい前に中国を中心に広がって日本も脅かしたSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)の中東版のようなイメージ。両方ともコロナウイルスが原因。

感染源はSARSの場合はハクビシンだとかフクロウの一種だとか言われているが、MERSの場合はどこからうつるのか。

これが、中東らしく「ラクダ」がウイルスを運んでいるのではないか、という研究が出た。

感染者はサウジから帰ってきてたいていドバイにいる頃に発症するので、日本からの渡航者にとっても身近にある病気です。