韓国語版『イスラーム国の衝撃』

久しぶりに、『イスラーム国の衝撃』についてアップデート。

『イスラーム国の衝撃』には韓国語訳があります。かなり前に出ているはずです。しかし手元に送られてこないのです。翻訳されてもなかなか著者の手元に来ないということはよくあることです。日本語に訳されている外国語の本についても、日本語だとよく分からないということもあり、原著者の手に訳本が渡っていないケースは目撃してきました。私自身もそのような状態にあるわけです。

ふと思い出したので文藝春秋を通じて調べてもらっているのですが、とりあえず韓国語訳についての出版社のホームページはありました。

http://21cbooks.book21.com/book/new_book_view.php?bookSID=3979

タイトル(らしき)ところを見ると그들은 왜 오렌지색 옷을 입힐까とあります。自動翻訳にかけてみますと、「彼らはなぜオレンジ色の服を着るのか」といった訳が出てきます。

表紙の写真を見ると、そこにはISと大きく書いてあります。

韓国語版『イスラーム国の衝撃』表紙

たぶんこれであっているようです。

ホームページには日本語原著タイトルだけは日本語で表示されております。その下は私の名前のハングル表記。

이케우치 사토시, 그들은 왜 오렌지색 옷을 입힐까, 21세기북스, 2015.

ということでいいのかな、書誌情報的には(勉強していない言語なのであてずっぽうですが、自動翻訳という人工知能でこの程度はわかるものなのだなあ、あらかじめ知っている内容であれば)。3月29日に刊行されていたようです。日本語版が1月20日に出た後に交渉がありましたから、早いですね。かなりの速度で翻訳されて出たようです。

この本の韓国での翻訳権は競りにかけて、諸条件を勘案して比較的良さそうな条件を出してきた出版社にしました。競合して条件を提示した新聞社系の出版社も良さそうでしたが、新聞社系ではない文藝春秋の本ですので、同じような性質の出版社に出して欲しいですね。韓国の学者による独自の解説などをつけるという提案があると、かえって本文と別の議論がなされるかもしれず予測がつかないので、そのようなものがつかないこの出版社にした記憶があります。

例えば外国の本で、日本語訳では例えば佐藤優さんや池上彰さんの解説がついて、表紙でも帯でもそちらの名前と写真が大きく出ているようなことがありますが、そのような事態がなるべく起こらないようにと考えたのです。

ただ、韓国の出版事情にそれほど詳しくないので、出版社の性質や、どのような売り出し方、売れ行き、受け止め方であったかなどは、分かっていません。調査中。