【寄稿】『週刊エコノミスト』でモーゲンソー『国際政治』を取り上げたら学会誌『国際政治』でもモーゲンソーを

『週刊エコノミスト』で5回に1回担当する読書日記、15回目の今回は、このブログの「日めくり古典」で長期にわたって少しずつ紹介した、モーゲンソー『国際政治』を取り上げました。紙媒体とのメディア・ミックス(死語か)。


週刊エコノミスト 2015年 10/13号 [雑誌]

池内恵「日本人が理解できない民主主義の世界基準」『週刊エコノミスト』2015年10月13日号(第93巻第41号・通巻4418号)、10月5日発売、55頁

ブログで日めくりで紹介した勘所に、フェイスブックで配信したエッセーで書いたmajority rule, minority rightsの話も入れ込んであります。紙媒体だけを読む人向けには導入として、ブログを読んでから読む人には頭のまとめとして。

そして、今日、授業を終えて、その足で今月末に行われる日本国際政治学会の共通論題の報告者の事前打ち合わせに査問されていたので、会合の場所に急いだのだが、研究室の本の山から掴んで鞄に突っ込んで持ち歩いていたのが、届いたばかりの日本国際政治学会の学会誌『国際政治』第181号。

そこに掲載されていた書評論文がまさに、モーゲンソー『国際政治』と、E・H・カーの『危機の二十年』を取り上げるものでした。

当ブログ9月21日付「【日めくり古典】モーゲンソー『国際政治』から翻訳者に遡ってみた」でも、モーゲンソーの翻訳者つながりで、読みやすい新訳で岩波文庫に入って、今読むべき古典としてカー『危機の二十年』も併せて紹介しておりました。『国際政治』の編集委員・書評委員も、同じ取り合わせでの紹介を有意義と考えていたということで、なんとなくうれしい。

しかも筆者は渡邉昭夫先生。

渡邉昭夫「E・H・カーとハンス・モーゲンソーとの対話」日本国際政治学会編『国際政治』第181号「国際政治における合理的選択」(2015年9月)、159−169頁

渡邉先生の駒場の教養課程の国際関係論の授業、かなーり後ろの方の席で受けました。幾星霜、あちらは依然として現役で由緒正しい学会誌で、こちらはやさぐれてブログの野戦場と経済週刊誌の1頁もの瞬間芸で、同じ対象に取り組んでいたことを光栄に感じまする。

学会誌を読んで難しいと感じたら『週刊エコノミスト』を買って、当ブログを読んでね。

今号は不得意分野の合理的選択論特集なので、よく読んで勉強いたします。