【寄稿】産経新聞で「イスラーム国」の思想と組織を解説

おはようございます。今日から週末にかけて開かれるとある国際政治系学会に行って参ります。末端のお役目を果たしながら勉強もさせていただく所存です。

本日の産経新聞朝刊に、「イスラーム国」の背景、思想、組織原理についての2回の解説の第1回が掲載されています。

池内恵「寄稿・イスラム国の正体(上)存立根拠はローカルな内政対立」『産経新聞』2014年11月14日朝刊

今回はローカルな内政対立と社会の深い亀裂構造の中で、特定の勢力に一定の支持を受けたことで領域支配が可能になったという側面を取り上げています。それは同時に、社会からの支持や黙認を受けにくい地域ではそれほど広がらないということも意味します。

いわばローカルな要因を「主」として、そこに加勢するグローバルな要因を「従」とした分析です。

明日の次回は思想・組織原理で、グローバル・ジハード思想の2000年代の展開という、私のお馴染みのテーゼを軸に思想・組織原理とその帰結を解説します。

こちらはグローバルな側面を取り上げ、イデオロギーの拡散がもたらす宣伝・募集効果や、非集権的・分散型組織が各国に及ぼす脅威の性質を取り上げるものとなります。

10月の日本人学生参加希望事件以来、新聞・雑誌がどこもかしこも特集特集と騒ぐ事態になって、紙・誌面が同工異曲になっていますが、対象に目を凝らしていればすでに変化が生じております。せっかく関心が高まったのであれば、持続的に注視していってほしいものです。

そのような変化を見届ける持続的報道の指針にもなるかと、現段階での認識の視座を示してみました。

「イスラーム国」に対する国際的な関心の推移や対処の枠組みは、6月のモースル陥落の「衝撃と惧れ(shock and awe)」が沈静化し、急激な拡大を差し止めて膠着状態となり、長期戦・思想宣伝戦が主となってきています。

過激主義も「正しく怖がる」知恵が必要であります。