コメント集(2):「イスラーム国」による日本人人質殺害・脅迫事件

「イスラーム国」問題では、基本的に既存メディアにはコメントを出しませんでしたが、消極的ながらコメントの掲載を許可した場合もあります。許可したメディアの選び方に特に根拠はなく、偶然です。

過去のコメント集の流れで、とにかく記録しておきます。2001年以後の私の論考やコメントは全て保存してあるが、ウェブ上にないのをいいことにデマを流す人が出てくる。防衛策としては、少なくとも存在するものについてはウェブ上に書誌情報だけでも形をとどめておきます。データベース等で確認は可能なはずです。存在しないものに基づいて批判する人については・・・どうしようもない。

過去のコメント集もいくつかここにリンクしておきます。

「イスラーム国」問題コメント4本(昨年の積み残し)2015年1月5日

「コメント集(1):「イスラーム国」による日本人人質殺害・脅迫事件」2015年1月30日

『中日新聞』2015年2月2日、「人道的支援間違っていない」

この記事についてはノーコメント。

『産経新聞』2015年2月4日、「ジハード=聖戦は第2段階 「イスラーム国の衝撃」著者・池内恵東大准教授に聞く」

このあたりから、文化部・学芸部が本の紹介と国際情勢の解説を兼ね合わせた記事を書きに来るようになりました。紙面のこういう使い方には賛成です。セクショナリズムに縛られることはない。

Yomiuri Online 2015年02月04日、「若者はなぜイスラム国を目指すのか…池内恵氏インタビュー」
(池内恵「若者はなぜイスラム国を目指すのか」『読売クオータリー』No.32(2015年冬号)、2015年1月30日発行、62−70頁のYomiuri Onlineへの転載。そのため、読売新聞本紙には掲載されていません)

『読売クオータリー』からの転載記事は、実質上は「イスラーム国」日本人人質事件への解説の意味で掲載されているのでここに挙げておきますが、考えてみればインタビューは昨年11月17日に行われている。日本人人質事件の政治問題化とは関係なく作った記事です。そして、日本人人質事件は「イスラーム国」の解釈をなんら変えるはずはないのです。日本側の行動によって「イスラーム国」の行動や性質が変わったとも考えられない。日本は中東においてほとんど存在感がないのです。ですから、昨年11月に語ったことがそのまま今年1月の事件の背景を説明できなければいけないのは当然であり、それを再録した読売新聞は正しいと思います。