【寄稿】中央公論1月号に「イスラーム国」の来年の見通しについて

不意に思い立って、何が何でも来年1月に出そうと決めて、超人的な速度で、11月末から昨晩(金曜夜)までの間に、本を一冊書いてしまいました。今週は朝・晩に1章ずつ原稿を入れる状態が続いていました。

「イスラーム国」関係です。

9・11事件以降のイスラーム過激派の歴史と思想について。新書で230ページぐらい。6月以降、無数に書いたり話したりしてきた内容ではあるので、今突然考えたわけではありませんが。

のんびり2月以降に出してもいいですが、出版的タイミングを逸してしまうとこのテーマに関しては良くないので、私の方から無理を言って前倒しに進めてもらいました。どうせ苦労して書いて出すなら一番のタイミングで。

奇跡的に原稿が間に合いましたが、まだ気が抜けません。発売までの間に少しずつお知らせしていきます。

一息ついたら、「イスラーム国」に関する寄稿がまた一本刊行されていました。

池内恵「イスラム国 地域大国による中東の秩序再編が進む」『中央公論』2015年1月号(第129巻第1号・1574号、12月10日発行)、60−61頁

中央公論2015年1月号

「特集 2015年を読む」の一部です。

政治・国際問題は、

「政策の季節」から「選挙の季節」へ(待鳥聡史)
アメリカ(中山俊宏)
アジア(白石隆)

が4頁で読みごたえあり。

ヨーロッパ(遠藤乾)
イスラム国(池内恵)

が2頁ずつ、といったラインナップ。

長めの論考で久保文明先生が「米中間選挙、民主党大敗北 オバマ大統領に立ちはだかる三つの試練」98−106頁、これはじっくり読んでみましょう。

鼎談にも、「グローバル(G)とローカル(L)の間を国家(N)は埋められるか」で川島真先生が吉崎達彦さんや佐倉統先生と。

宇野重規先生が長大論考「日本の保守主義、その「本流」はどこにあるか」(84−97頁)と、時評「安倍首相が獲得する「モメンタム」とは何か」と二本も寄稿している。

「丸山眞男からEXILEまで 論壇は何を論じてきたか」で佐藤信君がおジイさんとおジさんと鼎談。

おかげで私が誌面最年少でなくなったです。最年少ボジションにいるのが長すぎてトウが立って疲れてきましたものですから。最近は意識すらしないが、私がなおも最年少であることに気づいて驚くことはある。某エコノミスト年末懇談会@ホテルオークラにエコノミストじゃないけど案内来たから行ったら、圧倒的に最年少だった。まだまだ年功序列&人口逆ピラミッド社会ニッポン。

あと、若くて出てこれる人はどうしても「世代論」というかなり狭い特殊なジャンルを期待されるという問題もある。若くて文章を書ける人はとりあえず世代論をやるという、バイアスがかかってしまわないかな。

でも今回の中央公論は中堅層の書き手が分厚くなっていて、世代交代は進んでいる。お勧めです。