【掲載】読売新聞12月7日付の論壇時評「回顧2015」で、年初の鼎談が紹介

嬉しいですね。

読売新聞12月7日朝刊の文化面では「回顧2015」と題して、ここ1年の動きをまとめています。

「回顧2015 *論壇 『テロの時代』に揺らぐ欧州」『読売新聞』2015年12月7日

この日は「論壇」が対象になっていて、各種論壇誌に載った記事が改めて紹介され、講評されている。そこで、『中央公論』の4月号に載った鼎談での私の発言が取り上げられています。

以下に言及箇所を引用します。

中東研究の池内恵氏は鼎談「『イスラム国」が映し出した欧州普遍主義の終焉」(『中央公論』4月号)で、欧州世界が域内の「内なるイスラム教徒」に対し「リベラルな多文化主義、普遍主義による統合」を諦め、「外は外で勝手にやってください」と思い始めたと分析。

とのことです。宇野重規さん、三浦瑠麗さんと並んで写真も掲載されている。

論壇の1年間の回顧の中で取り上げられたのはこの鼎談。

池内恵×中山俊宏×細谷雄一「『イスラム国』が映し出した欧州普遍主義の終焉」『中央公論』2015年4月号(3月10日発売)、92−101頁

私はこの鼎談では、今年1月7日のシャルリー・エブド紙事件や「イスラーム国」の挑戦が何を意味するかについて論じ、それは「ヨーロッパの近代の普遍主義の限界を露わにした」からこそ意味が大きいのだと指摘しました。

結果的に、2015年の世界の思潮を規定する要素を、年初の段階で指摘していたことになったと思います。そのことを覚えていてくださって、こうして年末に評価して取り上げてくださったことは、嬉しいですね。文化部の記者の上田さんありがとうございます。

読売の文化部とは10年前にかなり緊密に一緒に仕事をしたことがある。「読書委員」という制度を通じてのものだった。

ちょうど、週明けに出る『週刊エコノミスト』で、この時のことを書いたばかりだった。読売新聞の文化部と小泉今日子さんと、そして私も一時加わった読書委員会について。書評という制度について。そこで文化部の記者が果たす役割について。

月曜日にはブログで改めて通知します。