【寄稿】(補遺)パリ同時テロ事件について『ふらんす』増刊に書いていた

年末年初の出版物の通知を忘れていました。

昨年暮れから今まで、プエルトリコ、テキサス、ニューヨーク、神戸、シンガポール、ロンドンと回っていましたので、その間にいくつか抜け落ちていました。

池内恵「『イスラーム国』の二つの顔」白水社編集部編『ふらんす 特別編集 パリ同時テロ事件を考える』
白水社、2015年12月25日発行、106−109頁


『パリ同時テロ事件を考える』

前回、シャルリー・エブド誌襲撃事件の時の『ふらんす 特別編集 シャルリ・エブド事件を考える』に続いての寄稿です。


『シャルリ・エブド事件を考える』

前回と同じく、巻末の収録となりました。

「自由をめぐる二つの公準」
「『イスラーム国』の二つの顔」

どこか韻を踏んでいますね?対になる作品です。前回からすでに今回があることを予想していたわけではないが、対になる部分のことはなんとなく予想していた。

なお、4月末か5月初頭までに、品切れになって入手が難しくなっている『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2008年)に、この論考を含めて10本余りを加えて、増補新版を出します。もともと分厚い本がさらに分厚くなりすぎるので、これが決定版。

単行本が出た後に発表した論考だけでなく、もっと前の、2002年の講義録を元にして論文集に収録されていたため前回は収録を見送った幻の論文なども再録します。あの頃、先の先まで考えて、一生懸命書いていたことは、全然古くなっていない。むしろ理論的に想定して仮定に仮定を重ねて書いたことが、どんどん現実化していく。

足掛け15年くらいかけての、イスラーム世界の思想面での年代記となってしまった。

そして、値段は初版と変わらない2600円にする予定なのです。

この本の増補再刊はかなり前から話があったのだけれども、価格と部数について、市場の声を聞くために、クラウドファンディング的なアンケートに協力もお願いした。その後押しもあって、増補したのに本体価格は据え置きの2600円、という現在の萎縮する出版業界では通常はあり得ない条件で刊行作業が進んでいます。皆様に御礼申し上げます。

また通知します。

パリ同時テロ事件を考える