【寄稿】トルコのシリア国境の町スルチュでクルド勢力を狙った自爆テロ

連休も講演をすませてあとは必死に論文書きをしていたが終わらず。いや、そのうち二本は終わったんだが大きいのが二本終わっていない。限界までやっているんだがなあ。

しかし日々のニュースは見ておかないとついていけなくなる。論文にも関係あるし。

没頭しているとこのブログにはほとんど手をつけられないのだが、英語やアラビア語のニュースはPC画面ではこの横に表示されるツイッターの窓@chutoislamで、空いた時間の一瞬をついてリツイートしてあります。また、『フォーサイト』では日本語でニュースの要約・解説をする「中東通信」をやっています。

最新のものは、池内恵「トルコのシリア(コバネ)との国境の町スルチュで支援団体の集会に自爆テロ」『フォーサイト』2015年7月20日

それにしてもややこしい。シリア北部のコバネの戦闘は注目を集めましたが、「イスラーム国」から奪還する勢力となったクルド人勢力に対して、コバネと接するトルコ側で自爆テロ。それもトルコ側とシリア側で同時にやっている・・・

トルコ政府からいうと「トルコ側でもシリア側でもクルド勢力は一体」ということを同時攻撃で見せつけられたわけで・・・「イスラーム国」はサウジやクウェートではシーア派を狙って、被害者と中央政府を分断する戦略ですが、同じことをトルコではクルド人を狙うことでやっているように見えます。これは効果がありそう。トルコ側のクルド人が「トルコ政府は頼りにならない」と武装化する→トルコ政府はトルコ側とシリア側のクルド勢力を攻撃→クルド勢力が一体化して独立武装闘争へ・・・なんてことにならないようにお願いしますよ。本当に行ける国がなくなってしまうではないか。

でも、この調子だと次にイスタンブールが狙われそうなのが怖い。あんな大きな都市だから、万が一テロがあっても自分が巻き込まれる可能性は極めて低いのだが、一回テロがあれば政府の「退避勧告」みたいな話になってしまいかねない。