ブログの新企画で、「いただきもの」シリーズをやるよ、と予告してしまったので第1回。緊張するな。自意識過剰。
いろいろ考えたんですが、最近いただいたということもあるし、またいろいろ考えるとこれかな。
五百旗頭真・中西寛(編)『高坂正堯と戦後日本』中央公論新社、2016年5月
これいい本ですね。大変いい本です。
この本の元になった研究会を後援(というか主催)したサントリー文化財団からいただきましたが、とにかくいい本です。手元に置いておいて損はない本だと思いますよ。
学問のあり方と、学者の人生、戦後史の中に位置づけられた学説史や、出版文化について、今考えるるべきことが、高坂をめぐる文章という形で、書かれている。懐古趣味の本ではありませんし、サントリー文化財団は、縁が深い人のことだから後援しているのではなくて、本当に今書いて出す意味があるテーマだから全力で支援しているのだな、ということが分かります。高坂を全力で語る論者たちが、手を抜いていません。抜けないのですね。
『アステイオン』の30周年特集と合わせて読むといいとも思います。この特集だけで、戦後思想史をめぐる一冊の本を読んだような体験をしました。『アステイオン』の特集の方には、私は本来は依頼されていて書くはずだったのだけれども書かなかった(書けなかった)。書かなくてよかったと思います。私が書けば、不必要なものになりました。
どうもありがとうございました。