今日の、BSスカパー「Newsザップ」出演では、12時から午後3時までずっとスタジオに座りっぱなしだったので、極度に疲労しました。こんなことはしょっちゅうやってられませんね。
おまけに、今日に限って、米国ダラスの病院内でのエボラ出血熱の二次感染の事例が生じて米国が浮き足立っているので、CNNは特別編成でアマンプールの番組が取り止め。BBCもトップニュースでこの話題に。
毎時0分や30分の定時ニュースで、シリアやイラク、イエメンやリビアの話題は省略されるか、後の方(毎時20分ごろや、50分ごろ)に回されたので、ザッピングの対象にならず。
それでも中東の話をしましたが。
レギュラー・ゲストのアーサー・ビナードさん。
詩人。
国際政治については、典型的な米国超リベラル派らしく、陰謀論炸裂。
まあ中東政治に陰謀はつきものだけど、その多くは米国主体ではなく、現地の諸勢力が地域大国と域外大国とNGOとかを盛大に巻き込みながらやっているのだから、なんでも米国が動かしていると言っていては、中東は分かりません。
中東に盛んな陰謀論とは別に、もっと現実的で厄介な陰謀がたくさんあるのです。それを読み解けないと、手玉に取られてしまいます。
あまりにひどい時はこちらも重ねてどのように見ればいいかを解説しましたが、思想・言論は自由なので、たいていはスルーして放置しておきました。
詩人なんだからどうぞ奔放に。
ただし、メディアがそういう詩人の政治論と私の分析を同列に扱って、かつ一般読者・視聴者に「印象がいい」「良い人」に見える(とメディアが考える)方に軍配を上げるような扱いをした時には、私は徹底的に怒るけれどね。
それは私にとって譲れない倫理の問題だから。
今から10年前のとある事件(それは今イラクとシリアで生じていることに、紆余曲折ありながらつながっている)についてのとあるメディア企業のやり方については、今でも、許しも忘れもしていない。『イスラーム世界の論じ方』の注を詳細に見ていただければ、ぼんやりと何がどうだったか分かるかもしれない。
ビナードさん、最近うちの父といくつも一緒に仕事してくださっているらしい。うちの父も政治の話になると、まあビナードさんと似たような感じのぽわっとした現実感のなさがある。
ただし父は、人間社会の本質に関しては、政治の制度や社会構造に関する情報は恐ろしく皆無なのにもかかわらず、ある面で異様に勘が鋭い。もし理屈で説明させれば陰謀論みたいなものになってしまうのだろうが、そういうことは人前で決して言わない防衛本能は鋭い。なので、明らかにおかしいだろ、という政治的発言をしたのは見たことがない(いや、探せばいろいろあるかもしれませんが・・・)。その辺、世の文系知識人とは全く違うと思う。それがどこからきているのかは私にもよく分からない。文学だ学問だ云々というよりももっと深いところでの人間としてもって生まれた知覚・防衛本能なんだろう。外当たりはいいけれども、あの人は、お人よしではないですよ。
ビナードさんがしゃべっている間に浮かんだポエム。
みえるもののむこうがわに
みえないものをみるのはいい
みえないものだけをみはじめると
なにもみえなくなる
さとし
お粗末でした。早々に宗教政治思想に路線転換しておいてよかった~