3日目に入った自主缶詰の環境

日本国内とも国外ともいえる某所で、単行本執筆のための缶詰中。3日目。

こんな環境です。

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ある意味理想的な環境ですな。

「アラブの春」に関する先行研究をトランクに入るだけ持ってきた。

上に載っているのはアラブの映画とドキュメンタリーのDVD。この機会に見てしまおう。

Nizar Qabbani_Series

一番上に載っているのは、本のような形をしているが、DVDセット。シリアの詩人、ニザール・カッバーニーの伝記。

連続ドラマでDVD10本に20話が入っている。文章に行き詰まると息抜きにこれを・・・て息抜きになっていませんが。

歴史ものなんですが、やはり見てみると、「春」「革命」「抵抗」といった世相のキーワードがちりばめられています。しかしこのドラマはたしか2010年だったと思うんだが・・・ニザールが若い頃に大人たちが振っている旗は、当時の時代だから当然なんですが、緑と白と黒の民族主義の旗。つまり今の反体制派の旗です。カッバーニーの生涯を描きながら現在に至る現状への批判的な思潮が随所に暗示されたものになっています。

少年時代の勘の強いニザールが、罪人は地獄の火に焼かれると教えられて、決然と、実際に火をつけてその中に踏み入って自分を焼いてみようとするところで、然る大人たちの間で、どうなるか自分でやってみた方がいいんだ、とつぶやく老人がいるのもなんだか行く末を暗示しているような。

ニザール・カッバーニーについてはこのブログのどこかで言及していますので、気になる人は調べてみてください。確かに、このドラマでもニザールが流浪の末行きつくのはロンドンみたいだ。回想シーンはビッグベンの影の下から。