7月9日から、『フォーサイト』で「中東通信」を開始していました。どうにか軌道に乗って、ほぼ毎日、ニュースの取捨選択と抜粋要約の記事をアップしています。今日は手が空かないのと、一般紙でも主要な中東ニュースがカバーされていたので、一休み。
記念すべき立ち上げ初日のニュースは下のような感じでした。
やはり今月はトルコが岐路に立つ瞬間でしたね。「クルド勢力の台頭」(7月9日)、「『シリアにクルド国家を作らせない』(エルドアン)」(7月9日)、「トルコのクルド人がシリアで『イスラーム国』と戦っている』」(7月9日)、「シリアのクルド民兵勢力はトルコ介入を牽制」(7月9日)、「米国とトルコがシリア介入策をめぐって協議中」(7月9日)、「トルコのシリア介入はクルド独立阻止のためなんでしょ?」(7月10日)といった具合でした。
その後・・・
7月20日のトルコ南東部スルチュ(シリア側のコバニと接する町)での、クルド支援団体の集会を狙った自爆テロをきっかけに、トルコが米国への基地使用許可を出し、シリア北部への「安全地帯」設定での合意、トルコによるイラク北部のクルド反政府組織PKK拠点の攻撃と進む一方、PKKはトルコ政府に責を帰し、トルコの警察と「イスラーム国」両方への攻撃を行い、トルコはシリア北部で「イスラーム国」との交戦を行い、トルコ国内での「イスラーム国」とPKK他の非合法組織の大規模摘発に踏み切り、PKKによるトルコ軍部隊への襲撃を行う、2013年以来のトルコとクルドPKKとの和平交渉が崩壊の危機に瀕する、といった形で、一気に状況が次の段階に進んでいます。
ニュース速報画面のようになった「中東通信」、今日はこんな具合です。
『フォーサイト』の画面の右の「中東通信」の窓をクリックすると、ブログのように、巻物のように、クロノロジー的に時系列でこれまでの記事が一続きに表示されます。
このような時は、ミクロの一つ一つの事象の経緯と意味を読み取って、マクロな全体状況の変化との関係を記録しておかないと、何がどう変わったかわかりにくくなりますので、このような形態の媒体を開発しておいて良かったと思います。
「中東通信」は立ち上げ直後ですのでまだ無料にしてありますが、そろそろ有料エリアに入れようかという話になっております。
明日朝まで、自分の論文のために東京を離れて籠っているので、テレビの解説などには出られませんが、隠れ家から時々分析をぽろっと出したりするので、気が向いたら見てください。時間がないときは「@chutoislam」で英語のニュースを解説なしでリツイートしていますので、パソコンの方はこのブログの右側に表示される英語ニュースを読んでおけば、何が起こっているかわかると思います。