NewsPicksのオリジナル記事として、3冊を選ぶ書評を寄稿しました。
池内恵「中東の現在を読み解くための歴史書」『NewsPicks』2016年6月1日
NewsPicksに無料登録すると読めるはずです。
書評者が3冊選んで紹介する欄ですが、選んだ3冊は以下のものです。
また、関連して、これも挙げています。
そして、英語でペンギンブックスでお手軽に読める、最新の名著にも言及しておきました。これらを並べて読めば中東の近現代史の重要なところはほぼすべてカバーできるでしょう。
この4月から、試験的に、NewsPicksの「プロピッカー」となって、手が空いた時にニュースの選定をしています。私の方針は、あくまでもNewsPicksが報道各社から集めて日本語で提供するものに関して、中東に関するものでそれなりに意味のあるものをピックする、というものです。ピッカーの中には自分でウェブ空間から記事を探し出してきて紹介している場合もあります。
それほど多くの中東記事が流れてくるわけではないので、時事や朝日新聞や産経新聞やAFPの中東記事がNewsPicksに配信されて来たのを見つけるとピックする、というのが常態となっています。いわば意識して「受動的に」日本語で流通する中東情報を見てみる機会とするのですね。
これに対して「能動的」にニュースを取りに行って、抄訳し解説しているのが新潮社『フォーサイト』の「池内恵の中東通信」です。異なる読者層に対して異なるアプローチをとっている、とお考えください。
私としては、紙の新聞を読まず、ウェブ版を有料購読もせず、スマホのニュースアプリでニュースを読む、という近年の若手・中堅世代の情報消費の動向を、当事者となって調査するつもりで参加しています。
私自身は、中東について研究する際に日本のメディアを参照することは、まずありません。何か日本に関係する事件が中東に起きたときだけは、「どのようなことが報じられているのかな」と日本語の新聞やテレビを体系的に見ます。日本語で書かれているものを全部集めて取捨選択すればそれなりに情報はあるのかもしれませんが、その労力を払えないのです。そこで、NewsPicksに集まってくる中東記事を、サンプルとして定期的に見るようにすれば、そこから日本の中東報道や中東理解について、何かが見えてくるかもしれない、と思って参加しています。