『イスラーム国の衝撃』が東大生協で依然として売れてます

『イスラーム国の衝撃』の受容のされ方の一面を示すデータ。

『イスラーム国の衝撃』が2月・3月の二ヶ月連続で、東大生協の書籍部(本郷)のベストセラー1位を記録。【「大学生協が3月のブックベスト10…東大2か月連続1位「イスラーム国の衝撃」」2015年4月27日】

うれしいね。

元データは全国大学生活協同組合のホームページ。各大学の毎月のベストセラー10位までを発表している。

2015年2月
2015年3月

授業のない2月・3月に1位ということは、純粋に興味関心からということなのか。

他の大学でも、京大と阪大ではランクインしている。推移を比べると・・・

東大 1位(2月)→1位(3月)
京大 4位(2月)→7位(3月)
阪大 5位(2月)→ランク外

他の大学ではランク外。やはりね、という感じがする結果ではある。慶應などでもよく売れてはいるのだろうけれども、全体の中での多数派ではないのだろう。

生協のランキングを見ていると、ものすごく実用的な本ばかり売れる大学とか、公務員試験のテキストがランキング上位を総なめにする大学とか、特徴が出ていて面白い。

まだ読んでいない方はぜひこちらから。

Kindle版でもどうぞ。(時によってポイントが半額分の400ポイントだったりする)

以前にこの件についてはフェイスブックで書いたのだけれども、検索しにくいのでブログに記しておこう・・・と書き始めたら、実はもう4月の集計も出ていた。東大ではまだ5位に残っている。えらい。

抜いていったのは、松尾豊さんの『人工知能は人間を超えるか』なのだが、これは頷ける。先日も某経済政策官庁の研究所でブラウンバッグ・ランチの告知が来ていたが、瞬時に満席になっていた。


松尾豊『人工知能は人間を超えるか』(角川EPUB選書)

松尾さんとは面識はないが、民主党政権下で内閣府の国家戦略室の傘下で開かれた巨大会議群「フロンティア分科会」(←注意:ホームページがものすごく読みにくい)にどちらも参加していたので存在を認識していた。大学の世界は年齢層が上に偏っているので、少し前までは同年代がいるとすぐ目に付いた。

この会議については誰も記憶していないと思うし、そもそも報告書を出した当時もほとんど誰も気にも留めなかったと思うのだが、それなりの労力を使った仕事であった。そうだった、私は国際問題を扱う「平和のフロンティア部会」の委員として、松尾さんは「叡智のフロンティア部会」委員として(分科会・部会名が大仰なのは末端のヒラ委員の責任ではありません)、別の場所で同様に「老害批判」をしたというのでなんとなく同類視する人がいたのだった。

私の方はまあ、「ええその、私は決して「老人」がいけないと言っているのではありませんのでして、「老人支配」が良くないと言っているのでありまして、そのあたりはぜひ誤解なきようにと・・・」などと腰低く老害批判をしていたらちょうどそこに全体の座長の大西隆先生(日本学術会議会長・以前に先端研のエラい教授でもあった)がひょっこり登場して「すみません、お呼びですか?」みたいなことを言って一同爆笑、といった和気藹々としたものであったが、松尾さんの方はなんかもう40歳以上はみんな粛清だ、みたいなポルポト派的雰囲気だったらしいと伝え聞くがオフレコで記録残ってないので確かめようがない。話に尾ひれがついているかもしれん。

ちなみにあちらは工学系研究科の技術経営戦略学所属で若干文系っぽく、こちらは工学系研究科の先端学際工学と先端科学技術研究センターの所属でなぜか思想史で全くの文系。工学系で文系に近いことをやっていると老害批判に走る傾向が出るのか。