【コメント】毎日新聞に「イスラーム国」参加未遂の日本人問題について

今朝の毎日新聞にコメントが掲載されています。

夜遅くの校了寸前に連絡があって、偶然、この問題についてニュースを読んで考えていたので、答えてしまいました。本当はすぐに出さねばならない原稿・書籍が複数積もっていて編集者が待っているのですが・・・

毎日新聞はイスラム国関連で頑張って取り組んでいると思うので、非常識な時間でしたが受けてしまいました。また、「自由な社会からの逃走」が先進国で一定数生じるという普遍的な問題として日本人の過激化の問題も捉えられるという視点が入ったので掲載を許可しました。こういう論点が当たり前に乗るのが本来の新聞だったはずですが。教養主義はかつてのファッションで、今は時代遅れなんですね。今こそこういった概念を用いて論じることが必要な段階に日本社会も入ったということでしょう。以前は自由すらなかったから「逃走」は単なるファッションだった。

「イスラム国:26歳北大生ら、参加を計画 識者の話」『毎日新聞』(2014年10月07日 東京朝刊)

 ◇不満持つ若者が傾倒−−中東に詳しい池内恵・東京大准教授
 イスラム教徒は自らの思想に肯定的な人物に対して同胞意識が強いため、日本の若くて体力のある人が希望すれば、イスラム国の即戦力として戦闘に加わることも可能ではないか。先進国では、自由な社会で明確な目的を与えられないことに不満を持つ一部の若者が、絶対の真理を教えると主張するイスラム教の強い思想にのみ込まれ、過激化する傾向がある。