【寄稿】『文藝春秋オピニオン 2016年の論点100』に中東秩序について

寄稿しました。

池内恵「『アラブの春』から『新しい中世』でせめぎ合う新冷戦へ」『文藝春秋オピニオン 2016年の論点100』文藝春秋、2016年、38−41頁


文藝春秋オピニオン 2016年の論点100

Eブック、Kindleでも売っているようです。

書誌情報上は、2016年1月1日発行の年鑑ですが、実際には2015年11月6日に発売されています。

目次は文藝春秋ホームページから

なお、タイトルはこのようになっていますが、本文を見ますと、私は「新冷戦」になるとは書いていません。あくまでも編集部がつけたものです。そのような雰囲気が一部の論調の中にあるということは私は別の論考では何度か書いていますので、間違いというわけでもありませんが、私自身が「新冷戦へ」と論じるほどには確証を得ていません。

ここ数年連続して寄稿している『文藝春秋オピニオン』ですが、今年は冒頭の「2016年の15大問題」という分類で論点の6番目に入れてもらっていますから、地味な私の書きぶりでは物足りなかったのでしょう。「新しい中世」というキャッチフレーズも、私としては控えめに使っています。

「新冷戦へ?」と「?」が入っていると思って楽しんで読んでみてください。

なお、『文藝春秋オピニオン 〜〜年の日本の論点100』の年鑑には、2013年以来、連続して書いています。

毎年見ていると、中東に関する関心の移り変わり、日本全体の論調の変化もどことなく分かってきます。継続は力なり。なんだったらまとめ買いしてみてはいかがか。

各年の寄稿のタイトル・書誌データと、論点番号、分類項目を併せて挙げておきましょう。

池内恵「緊迫するシリア情勢が中東に何をもたらすのか」(論点36・海外情勢・「アラブの春」後の中東)『文藝春秋オピニオン 2013年の論点100』2013年1月、122ー123頁

池内恵「エジプトの混迷は日本にとって対岸の火事ではない」(論点48・海外情勢・出口の見えない中東)『文藝春秋オピニオン 2014年の論点100』2014年1月、158ー159頁

池内恵「『イスラーム国』とグローバル・ジハード」(論点70・国際情勢)『文藝春秋オピニオン 2015年の論点100』2015年1月、216-218頁

論点の番号を「ランキング」ととらえれば、36→48→70と低下していたところが、今年は→6と大幅アップでベストテン入りです。『イスラーム国の衝撃』効果でしょうか。