【寄稿】『季刊アラブ』に、アラブ政治の「啓蒙専制君主」へのトレンドについて

日本アラブ協会が発行する『季刊アラブ』の新年号の巻頭に寄稿しました。特集「2018 中東情勢を読む」の一部です。

池内恵「『啓蒙専制君主』の時代に『イスラーム国』消滅後の中東」『季刊アラブ』2018年冬号, No. 162, 2−4頁

エジプトのスィースィー大統領やサウジアラビアのムハンマド皇太子が、独裁的な統治手法を用いるのと同時に、宗教面での自由化や改革を唱導する趨勢について、それがアラブ世界の政治社会と規範理念の根本的な変化をもたらすのか否か、検討するための歴史・思想的枠組みについて考えてみました。この問題は引き続き要検討、といったところです。アラブ諸国の現実を見る際に一つの検討要素として欠かせないところと思います。