【寄稿】【無料公開】『外交』3/4月号に中東の国際秩序について

外交専門誌『外交』の3/4月号が刊行されました。

今回は中東特集で、そこにインタビューに基づく論稿を寄稿しました。

今回は新型コロナ禍で図書館や大学など、この雑誌が置かれる場所の多くが閉鎖されているため、編集部が思い切って全論文のインターネット公開に踏み切りました。「外交web」に掲載されており、無料で閲覧、ダウンロードできます。

池内恵「エスカレーションから一転 『奇妙な安定』へ」『外交』Vol.60, pp. 24-31.

年初のイラクでのイランの革命防衛隊スレイマーニー司令官の米軍による暗殺を機に高まった緊張を背景にした中東特集ですが、その後コロナ問題が浮上し、それについても緊急に冒頭でいくつもの論稿が掲載されており、即応性も高いものになっています。

ぜひこの機会にご一読ください。

【寄稿】仏FRSのウェブサイトに中東秩序に関する総論を

2月28日に、パリのFRS(Fondation pour la recherche stratégique)を訪問して講演やインタビューを受けましたが、FRSのヴァレリー・ニケ先生が私の議論のエッセンスをQ&Aスタイルで簡潔にまとめてくださいました。FRSのウェブサイトに掲載されています。

記事へのダイレクトリンクはこちらから。

『新しい地政学』が刊行されました

東洋経済新報社から、北岡伸一・細谷雄一編『新しい地政学』が刊行されました。

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この本の第8章として、下記の論文を寄稿しています。

池内恵「『非国家主体』の台頭と『地域大国』––––中東と地政学」北岡伸一・細谷雄一編『新しい地政学』東洋経済新報社, 2020年3月12日, 343−363頁

この論文では、中東という地域概念と地政学との不可分の繋がりを概観しました。古典的な地政学論者であるアルフレッド・セイヤー・マハンが用いることで「中東」という語が広まり定着したといった、中東専門業界ではよく知られていながら、その外では、国際政治学の業界でもそれほど知られていない事実を指摘し、「チョークポイント」といった地政学上の基本概念によって規定される中東・イスラーム世界の国際政治上の重要性を論じました。

『新しい地政学』は、サントリー文化財団が2015年から、北岡伸一国際協力機構理事長を代表に開催してきた調査研究活動「新しい地政学の時代における国際秩序を考える研究会」の成果です。

サントリー文化財団の、文化・学術事業に理解の深い、経験の厚い役職員の皆様からは、ほとんど総出でこの研究会に多大なご支援を頂き、途中にはウラジオストックでの国際会議も行って、今回の成果刊行に漕ぎ着けることができました。まことに感慨深いものがあります。

【掲載】『公研』2月号の米イラン関係をめぐる座談会

『公研』2020年2月号誌上の座談会に、グローバルセキュリティ・宗教分野の小泉悠特任助教と共に参加しました。

田中浩一郎・池内恵・小泉悠「米イラン危機から見えてきた新しい戦争のかたち」『公研』2020年2月号

【コメント】『日本経済新聞』に「100年後の学問」をめぐる対談の記録が

日経新聞のウェブサイトと紙の紙面の両方に、先月東大で行われた公開対話についての記事が掲載されました(内容はほぼ同一ですが、先に掲載されたウェブサイトのものが若干長めです。いずれもインターネットで読めます)。

「100年後の学問どうなる? 東大と京大の教授が議論」『日本経済新聞』(電子版)2020年2月6日

「100年後の学問 東大教授らが議論」『日本経済新聞』2020年2月15日付夕刊

この記事では、『アステイオン』第91号の「可能性としての未来––100年後の日本」特集号の刊行を記念して、2020年1月24日に東京大学の駒場キャンパスでサントリー文化財団と刊行元のCCCメディアハウスが主催し、東京大学生協駒場書籍部が協賛して開催された刊行記念講演会 「100年後の学問と大学」を取材し、その内容を紹介していただいています。

【コメント】トランプ「世紀のディール」について

『日経ビジネス』のオンライン版に、コメントが掲載されました。

『日経ビジネス』の森永輔副編集長から、研究室で取材を受け、下記のインタビュー記事にまとめられて、掲載されました。

森永輔「親イスラエルの中東和平案、陰の主役はサウジ皇太子」『日経ビジネス』(オンライン)2020年1月31日

【寄稿】『中東協力センターニュース』1月号に、東地中海地域におけるトルコとイスラエルの競合について

『中東協力センターニュース』2020年1月号に、トルコのリビア内戦介入の最新の動きを取り上げ、その文脈となるトルコ・イスラエルの東地中海地域における競合・対立、そこで焦点となる東地中海ガス田・パイプライン計画について、相互の連関と将来の見通しについて分析しました。

池内恵「トルコのリビア内戦介入と東地中海地域のエネルギー国際政治」『中東協力センターニュース』2020年1月号(1月22日発行), 10-16頁 【論文PDFへのリンク

【コメント】日経ビジネス・オンラインにゴーン事件とレバノンについて

『日経ビジネス』のオンライン版に、ごく短いコメントが掲載されました。

電話で取材を受け、発言が下記の記事の中に言及されています。

菊池貴之「強気のゴーン氏 『安住の地』レバノンで何を語る」『日経ビジネス』(オンライン)2020年1月8日

【寄稿】『アステイオン』91号の特集「可能性としての未来––100年後の日本」に

サントリー文化財団・アステイオン編集委員会が編集する『アステイオン』第91号の総力特集「可能性としての未来––100年後の日本」にエッセーを寄稿しました。

池内恵「100年後に記された『長い21世紀』の歴史」『アステイオン』第91号(2019年12月12日刊行)

【掲載】『公研』10月号に先端研セキュリティー・セミナーの講演・質疑応答が

『公研』2019年10月号に、下記の講演録と座談会・質疑応答が掲載されました。

武内宏樹・黒川淳二・池内恵「喧騒の時代の日米中関係 テキサスからの視点」『公研』2019年10月号, 84-103頁

これは2019年7月18日に、先端研グローバルセキュリティ・宗教分野の事業として開催した「RCAST Security Seminar #16 米中貿易戦争と日本」として行われた武内宏樹先生の講演と、黒川氏との質疑応答、池内を交えた議論、さらに会場の参加者との質疑応答が、加筆修正の上、掲載されたものです。

RCAST Security Seminarは2018年6月以来、先端研の池内研究室が運営している先端研の公式行事です。英語を共通語とし、各界のテーマに関連する研究者と実務家の、原則として招待者のみが参加者する場です(この個人ブログでは原則として告知していません)。

この回は、サザンメソジスト大学准教授の武内宏樹先生とJETROでヒューストン事務所長を経験した黒川淳二氏をお招きし、試験的に日本語で開催して、より広い範囲の参加者を集めることを試みました。また、他の回では「チャタムハウス・ルール」を原則としており、セミナーでの発表や発言については発言者が分かる形で言及しないルールを課してきましたが、今回は例外的に『公研』編集部に参加していただき、講義・質疑応答を記事としてまとめていただきました。

記事の冒頭では、セミナーの当日の冒頭に私が行なった「先端研セキュリティ・セミナー(RCAST Security Seminar)」についての趣旨説明も掲載していただいています。

『公研』は一般には書店でも定期購読でも販売されておりませんが、官庁や企業やメディアといった契約・送付先で非常に熱心に読まれ、情報源とされている手応えがあります。これまで池内は個人として『公研』に寄稿を依頼され、様々な原稿を寄せてきましたが、今回はグローバルセキュリティ・宗教分野の活動でのコラボレーションを試みました。

RCAST Security Seminarを新たな聴衆に開き、東大とJETROと『公研』が産官学を横断して連携する試みが、このように形をなったことを喜び、また感謝しております。

朝日新聞「耕論」へのインタビュー、安倍外交の評価

本日の『朝日新聞』朝刊に、長めのインタビューが掲載されています。

「(耕論)安倍外交、夏の宿題 田中均さん、池内恵さん、春名幹男さん」『朝日新聞』2019年7月19日

「耕論」というページで、「安倍外交、夏の宿題」と題された共通テーマで、田中均さん(日本総研国際戦略研究所理事長、元外務審議官)、春名幹男さん(ジャーナリスト)と並び、「中東情勢に貢献の機会も」というタイトルで、インタビューが掲載されています。

産経新聞(電子版)にフォーラムでの討論の概要が

産経新聞(電子版)の記事で、7月3日に行われた日本国際問題研究所と一橋大学国際・公共政策大学院共催のフォーラムが紹介されました。

「【国際情勢分析】ディール優先のトランプ手法、イランは見切ったか 安倍首相は“ほろ苦”仲介デビュー」『産経新聞』(電子版)2019年7月19日

私の発言部分に言及されているのは次の箇所です。

【■中東を俯瞰するビジョンを

 座談会の討論で、中東情勢に詳しい池内恵・東京大学先端科学技術研究センター教授は、首相の仲介外交の意思表明から約2週間でイラン訪問を実現した外務官僚の労をおもんぱかりながらも、「中東の物事のまわり方はさらに速い」と指摘。中東の平和と安定は武装勢力などの非国家主体も交えた多国間の勢力均衡の上にかろうじて成立していることを踏まえ、「2週間あれば、あらゆる勢力が日本の訪問を無力化する手を打ってくる。現状のやり方を続けると確実に毎回(今回のタンカー攻撃のように)何かをやられる」と警鐘を鳴らした。

さらに、イランが、シリアでは民兵や軍事顧問を派遣して政府側を、イエメンでは反体制側の武装組織フーシ派をそれぞれ支援するなどして地域情勢を不安定化させているとされることなどから、日本が仲介外交を成功させる上では、イランとの2国間の友好関係を維持するだけでなく、スピード感をもって多国間外交を展開することが必要だと訴えた。】

【コメント】日本経済新聞ウェブサイトにイランについて

短くコメントが掲載されました。

松尾博文「なぜ米国はイランを憎むのか」 (ニュースこう読む)2019年7月12日

記事では米イラン関係の歴史的な展開を紐解きつつ現在の緊張の高まりに触れる文脈で、次のようなコメントが引用されています。

【だが、ホワイトハウス内にはイランの体制転覆を志向し、そのための軍事攻撃も辞さない考えがあるとされる。イスラエルやサウジアラビアなど、イランと敵対する中東の親米国も強力な対応を迫る。

イランはこうしたネットワークを、関係者の名前に入る文字を取って「Bチーム」と呼ぶ。イランとの緊張の急速な高まりの背後でこうした関係者や関係国の意向が働き、その上にトランプ大統領が乗ってきたと考えられる。

だが、中東での戦争に足を取られるのは、来年の大統領選挙で再選を目指すトランプ氏にとってプラスにならない。6月に米軍の無人偵察機が撃墜されたことを受けて立案された報復攻撃を、トランプ氏は10分前に取りやめたという。Bチームの一員であるアラブ首長国連邦(UAE)も緊張の政治的解決に向けた交渉を呼びかけた。

東京大学の池内恵教授は「強硬策に突き進んできたBチームの中に疑心暗鬼が生まれているのではないか。最大限の圧力をかければイランは(交渉に)戻ってくるという筋立てはおそらく破綻した」と見る。】