6月13日のテレビ朝日報道ステーションで放映された録画インタビューの内容をかいつまんで採録。
番組ホームページの短い要約「イラク危機、イラン介入で泥沼化か」では、次の部分が採録されています。
〔前略〕シーア派世間打倒を目指す湾岸諸国から大量の資金提供を受けたISISは、今年に入ってからイラク制圧を本格化させた。アメリカの複数のメディアは、イランがすでにイラク国内に部隊を派遣し、ISISと戦闘中と報じている。東京大学先端科学技術研究センターの池内恵准教授は「イラクの主要な部分をISISとの内戦を勝ち抜くという形で制圧して、非常に幅広いイランの軍事的な影響力が及ぶエリアができる可能性がある」と話す。〔後略〕
*これ以外に、ISISの性質を「国際テロ組織」とすると、現在のイラクでは実態にそぐわない面がある。テロを重要な手段として用いているが、それだけでなく、イスラーム国家を設立しようとし、実際に領域の実効支配をしている点で質が異なる、という部分も使われていました。ただし「領域の実効支配」という部分は削られていました。
*イランと米国がマーリキー政権政権への支援で協調あるいは一致したりすると、サウジやクウェートやカタールなどシリアとイラクの過激派を2013年まで支援してきたアラブの湾岸産油国がむしろ米国から敵視されたりすると、中東政治の構図がすごい代わりますね、という部分も使われていました。
全般に「米覇権の衰退後の中東」という流れの中で報じているようです。昨年のエルサレムからの中継(エルサレムより中継で:テレビ朝日報道ステーションでのコメント)の流れと同じですね。
ISISの伸長(発端)→クルドが漁夫の利を得て領域拡大(展開)→ISISの支配は過酷すぎて長続きしない→イランがついにイラクに本格介入して影響圏拡大(大変動)という先の先の方の見通しを話したのですが、その部分がもっぱら使われたようでした。
テレビの録画コメントというものは、突然言われて、初対面の人にぼんやりと聞かれて話した内容のごく一部分をつなぎ合わせて、テレビ局側のストーリーの上に自在に盛り付けられるというものなので、私自身の正確な意図は、あくまでも書いたものの中にあります。